羽生結弦のパフォーマンスは「アポロニウスの円」の点Pか? ~“REALIVE” an ICE STORY project~

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 プロフィギュアスケーター・羽生結弦が総指揮を執り、自ら出演する「“REALIVE” an ICE STORY project」が来週末(4月11日、12日)、宮城県利府町内のセキスイハイムスーパーアリーナで幕を開ける。

 

 羽生は、REALIVEのコンセプトを<羽生結弦がこれまで生み出してきたプログラムたちを、もう一度“生きた存在”として立ち上げる>としている。

 

 羽生が写っているキービジュアルは、話題となった。キービジュアルともう1つ、発表されたのがREALIVEのロゴである。

 

ロゴ提供:ICE STORY project広報事務局

 

 公式サイトに掲載されているREALIVEのロゴは、いくつもの円が重なっているデザインだ。キービジュアルにも薄っすらと円が描かれている。このデザインには、どんな意味が込められているのだろうか。羽生や、デザイナーの正解発表には当然、興味がある。だが、来週末に控える本番を思いつつ、ロゴと向き合い、各々で意味を考えるのもまた、一興である。

 

 公式サイトに掲載されているメッセージを見てみる。演出を担当するMIKIKOのコメントには、こうあった。

 

<アスリートとしても、表現者としても、進化し成熟していく彼が自らの“これまで”を塗り替え“ここから”を提示するLIVEになります>。そして、<羽生結弦の現在地、そしてその軌跡を、ぜひ会場でご体感ください>。

 

 シンプルに“これまで”は過去のものだろう。“ここから”は現在と未来の掛け合わせだろうか。

 

 これはあくまで先月のnotte stllata初日公演後のコメントだが、羽生はこんなことを語っていた。

「最終的に僕が演技として、スケートとして、氷の上であったり、皆さんの人生の“轍”の中に、何かを残してこれたかな?」

 

 いくつもの円が重なっているのは、スケートを滑って氷上にできたトレースだろうか、とも思った。軌跡、轍……。

 

 ロゴのデザインとMIKIKOと羽生のコメントから、「アポロニウスの円」を連想した。アポロニウスの円とは、2定点(AとB)からの距離の比が1ではない一定値で、ある点(P)の軌跡がつくる円のことをいう。古代ギリシャの数学者の名前に由来する。

 

 話をREALIVEのロゴに戻そう。これまで生み出したプログラムが点A、肉体改造やスキルアップを経て進化した羽生が点Bであるとするならば、点Pは、どんな軌跡を描くのだろう。はたまた、アスリートの羽生が点A、表現者の羽生が点Bとするならば、点Pは、どんな轍を描くのだろう。“点Pの軌跡や轍”こそは、今後に見せる羽生のパフォーマンスに思えてならない。

 

 何をAに定め、何をBに定めるか。それによって点Pが描く円の大きさはどうなるか。またとない一瞬一瞬に全身全霊を注ぐ羽生結弦を、見逃してはならない。

 

(文/大木雄貴、ロゴ提供/ICE STORY project広報事務局)

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