スピアーズ、ナード&ラピース&DBが引退会見 ~リーグワン~
ジャパンラグビーリーグワンのクボタスピアーズ船橋・東京ベイが21日、東京・タワーホール船堀で引退選手記者会見を行なった。2025-26シーズン限りでの現役引退を表明していたFLピーター・“ラピース”・ラブスカフニ、“ナード”ことSOバーナード・フォーリー、愛称DBのLOデーヴィッド・ブルブリングの3人が登壇し、チームへの想いを語った。
南アフリカ出身のラブスカフニが10シーズン、オーストラリア出身のフォーリーと南アフリカ出身のブルブリングが7シーズン在籍した。長期に渡ってチームを支えた3人がユニホームを脱ぐ決断。シーズン中に会見を開いたのは彼らの貢献度を鑑みてのことだ。会見にはメディアのみならずファンクラブ会員100人やパートナー企業も、スピアーズのホストエリアのひとつ、東京都江戸川区のタワーホール船堀に詰め掛けた。
ラブスカフニは献身的なプレーが光るハードワーカーで、23-24シーズンにはリーグワンのベストタックラーを受賞した。ジャパンでも19キャップを記録し、W杯2大会に出場し、キャプテンも務めた。フォーリーは司令塔役としてスピアーズの重厚なアタックを操った。またプレースキッカーとしてチームの得点源となった。23-24シーズンは最多スコアラー。ワラビーズ(オーストラリア代表)76キャップで、その冷静沈着なプレーぶりから“アイスマン”の異名を持つが、ミックスゾーンに来る時はひょうきん者の顔を覗かせる。ブルブリングは199cmの長身を生かし、ラインアウト、スクラムのセットプレーで存在感を発揮。同胞のLOルアン・ボタとのコンビはまさにツインタワー。いずれもスピアーズに欠かせぬ矛であり、盾であった。
3人ともが契約満了となるタイミングだったという。選手としての“終いの棲家”をスピアーズに選んだ。それだけ居心地が良かったのだろう。「最初は2年契約。7シーズンもプレーするとは思わなかった。毎シーズン充実していた」とはフォーリー。ラブスカフニは「ホームと呼べる地で10年過ごせたことはエキサイティングな気持ちだ」と振り返った。
前川泰慶GMは3人について、こう振り返る。
「チームの柱になる選手。チームファーストで動ける柱が欲しかった。そこでナードやラピースたちにオファーした。彼らは契約更新のたびに国内外からオファーがあったと思う。ただ、それを交渉の材料に使われたこともない。今回もこのチームで引退したい、と言ってもらえた。チームにとってありがたく感謝したい」
ラブスカフニは「クボタはラグビーだけでなく、10年いたホームだと思っているし、将来、必ずここに戻ってきます」とファンにメッセージを送った。ラブスカフニが英語で「必ず戻ってくる」と発した時、冒頭の挨拶を終えて檀上から降りていた前川GMがこう呟いた。「お願いします」。その真意を訊ねると、「あれだけの選手ですから、シーズン中に来てくれるだけでも選手もコーチも喜ぶと思う。許されるならぜひ、という気持ちです」と教えてくれた。
スピアーズのレギュラーシーズンは残り3試合。そのうちホストゲームは2試合だ。前川GMはこの時期に記者会見を開いた理由をこう説明した。
「シーズン終わってからだと、時間もなかなか取れない。えどりくでのゲームが2戦残っている。オレンジアーミーには、もうひとつチームを後押ししてもらいたいという気持ちもありました」
オレンジアーミーと共にチームの成長を歩んできた3人。功労者の花道は、6月のMUFGスタジアムで用意するのがベストシナリオだろう。
(文・写真╱杉浦泰介、競技写真/©クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)