交流戦V西武、投手陣の安定と育成選手の成長

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 アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国による共催で行なわれているサッカーW杯北中米大会は、決勝トーナメントに入り、白熱した試合が続いてます。日本のプロ野球も負けてはいません。

 

 交流戦は埼玉西武が初優勝を収めました。これでパ・リーグチームの3連覇。今年も“パ高セ低”の様相を呈しましたが、来年からはDH制が導入されることで、その差も徐々に縮まっていくのではないでしょうか。

 

 優勝した西武については何と言っても投手力でしょう。交流戦のチーム防御率は12球団トップの1.53。非常に安定感があり、フォアボールで崩れない。ここ数年、チームは低迷していましたが、MVPを獲得した長谷川信哉選手や好守備が光る滝澤夏央選手ら育成から上がってきた選手たちが、ようやく一軍の試合に慣れてきた。

 

 試合に勝つことによって、チームがまとまっていっていると感じます。今のところ、投打のバランスが非常にいい。就任2季目の西口文也監督もどっしり構えている。ピッチャー出身ということで、ピッチャーの起用法を含め、素晴らしい戦い方を見せています。

 

 先に触れた長谷川選手と滝澤選手はいずれも育成ドラフトで獲得しました。スカウティングの成果が出てきた。ドラフト上位は即戦力として期待されている選手が多いんですが、やはり育成はどの球団も一芸に秀でた選手を取り、その中から一軍で数名活躍できたらいいと考え、獲得する。

 

 育成出身者やドラフト下位指名の選手は、巡ってきたチャンスをモノにできるかで生き残っていける。それを続けて信頼を勝ち取っていく世界ですから。今からオールスター、後半戦が待っていますが、掴んだチャンスを離さぬよう頑張ってほしいものです。

 

 5月下旬には巨人、6月上旬には東北楽天の監督交代がありました。巨人は橋上秀樹オフェンスチーフコーチが監督代行、楽天は塩川達也ヘッドコーチの監督代行を経て、吉井理人新監督が就任しました。

 

 巨人は橋上監督代行が就いてから、成績は右肩上がりと好調です。橋上監督代行とは、ヤクルト時代を含め、独立リーグの新潟アルビレックス・ベースボールクラブ(現オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ)にもいたので面識はあります。阿部慎之助前監督はトップダウン型の指導者でしたが、橋上監督代行は選手とコミュニケーションを取りながらシーズンを戦っていくのではないでしょうか。今季限りとの話も出ています。思い切って戦ってほしいですね。

 

同姓・西田陸浮への期待

 楽天はこれで4度目のシーズン中に監督交代となりました。オーナーの三木谷浩史さんはサッカーも持っていられるんでね。日本のプロ野球は12球団しかないので、途中交代は珍しいですが、海外を含め、サッカーの世界においてはシーズン途中に監督が代わるというのは珍しくない。だから何かテコ入れをしたいという思いでの監督交代だったのではないでしょうか。オーナーが石井一久GMからいろいろと話を聞きながら決断したと推測します。

 

 吉井監督には持ち味を発揮していただきたい。私と同じ和歌山出身ですから影ながら応援しています。メンバーを見る限り、野手はそれなりに揃っている。だからこそ指導者のキャリアを十分に持ち、投手出身の監督に任せたのでしょう。適任だと思います。


 個人に目を向ければ、阪神の髙橋遥人投手が6月28日時点で、開幕10連勝と好調です。リリースポイントが安定しています。よく解説者も「球持ちがいい」と言いますが、下から粘って最後に手が出てくるというイメージ。リリースポイントはかなり前の方で離すので、バッターもより近く感じるはずです。

 

 手元で変化したり、伸びているような感覚を覚える。球速は150kmを超えなくても、バッターがタイミングを取りづらいのでしょう。あとはコントロール。ストライク率が高いのも大きいですね。それは今季好調のヤクルト、山野太一投手にも言えることだと思います。フォアボールで崩れないというのは、先発投手に必須の能力だと思います。

 

 現在はマイナーに落ちていますが、メジャーリーグでは私と同じ西田の、西田陸浮(にしだ・りくう)選手がメジャーデビューを果たしました。高校卒業後、アメリカのコミュニティ・カレッジ(2年制)に進学、オレゴン大に編入後、2023年にシカゴ・ホワイトソックスにドラフト指名を受けました。3シーズンはマイナー生活でしたが、今年5月25日にメジャー初昇格。デビュー戦となるミネソタ・ツインズ戦で初ヒット、捕殺を記録するなどインパクトを残しました。


 コメント等を見ても元気が良く、明るいキャラクターだと見受けられます。先月9日にマイナー落ちしましたが、彼もメジャーの厳しさをわかっているでしょう。メジャーでは守備・代走だけでは残れない。OPSという指標がありますから、出塁率と長打力が求められている。そこをクリアできれば、レギュラーとして残っていけるんじゃないでしょうか。ただ、ようやくメジャーにも“西田”が出てきたので、同姓として私もうれしいです。今後の活躍を期待しています!

 

 アメリカではサッカーのW杯を開催中です。テレビ等で見る限り、メジャーリーグにもたくさんのお客さんが入っている。それは日本のプロ野球も。日米における野球人気の高さを感じます。サッカーW杯参加国の多く、特にヨーロッパと南米はサッカーが盛んです。しかし野球の強豪国はあまり多くない。日本はあらゆる球技に強い。サッカーに限らず、野球、バレーボールなどで国際大会の上位に食い込んでいます。いずれはヨーロッパや南米も、野球に本腰を入れて、日本に挑戦してほしい。WBCもさらに盛り上がる大会になり、大白くなると思います。

 

<このコーナーは毎月1日更新です>

 

西田真二(にしだ・しんじ)プロフィール>
1960年8月3日、和歌山県出身。小学3年で野球を始める。PL学園高、法政大学を経て、83年にドラフト1位で広島カープに入団。高校時代は78年夏にエース&4番として甲子園優勝に貢献した。大学時代は5度のベストナインに輝くなど、3度のリーグ優勝に導いた。プロ入り後は左投げ左打ちの外野手として、91年のセ・リーグ優勝に貢献するなどカープ一筋13年で現役を終えた。現役引退後は野球解説者を経て、カープ、四国アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の愛媛、香川などで後進を育成。20年より6年間、セガサミー野球部の監督を務め、都市対抗野球大会4度、社会人野球日本選手権大会に2度出場に導いた。26年からは野球解説者に復帰。同年4月から四国アイランドリーグplus香川の球団アドバイザーに就任した。

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