第318回 エドポロキングの躍進が「RIZINヘビー級戦線」を活性化させる!

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 20歳の超新星・秋元強真(JTT)が前フェザー級王者クレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)に完勝したことで大いに盛り上がった8月11日の『RIZIN.54』。観衆1万79人(主催者発表)のフルハウス、これはトヨタアリーナ東京の最多集客レコードとなった。

 同大会では秋元vs.クレベルのほかにも好ファイトが続出したが、筆者が注目したのは『ジャパンGP2026 ヘビー級トーナメント』開幕戦(準決勝2試合)である。このトーナメントには日本人4選手がエントリー、結果は以下のようになった。

 

(写真:上田幹雄をマットに沈め、場内の大歓声に応えるエドポロキング ©RIZIN FF)

▶MMAルール/5分×3ラウンド(契約体重120キロ以下)

〇スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/   HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED)【TKO、1ラウンド4分26秒】●酒井リョウ(レンジャージム)

▶同

〇エドポロキング(ROOTS GYM)【KO、2ラウンド47秒】●上田幹雄(BRAVE)

 

 スダリオの勝利は予想通り。そして事実上の決勝戦と目されていた2試合目では、エドポロキングが成長度合いとポテンシャルの高さをファンに見せつけた。

 元極真カラテ世界王者である上田がローキックを駆使し、204センチの巨体を崩すとの見方もあったが、そうはならなかった。2ラウンドに一気に圧をかけたエドポロキングが首相撲から強烈な右ヒザ蹴りを顔面にヒットさせ上田をマットに沈めたのだ。

 

「チームが立てた戦略通りの勝負ができて最高です。相手は極真のチャンピオンで蹴りも一流、だから警戒もしていました。でも1ラウンドからカーフを狙ってくるのは分かっていて全部カットできた。心に余裕を持って闘えたのが勝因です」

 

弟エドポロケインの活躍も刺激に

 試合後にインタビュースペースでそうコメントしたエドポロキングは、これでRIZIN4連勝。今回が約1年4カ月ぶりの試合だった。

 ナイジェリア人の父と韓国人の母の間に生まれ日本で育った彼は、元高校球児。日体大柏高校在学時には「通算28本塁打」をマークするなどの活躍をしている3学年下で23歳の弟・エドポロケインは、昨年のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから2位指名を受け、入団したプロ野球選手(外野手)。今年5月の福岡ソフトバンクホークス戦で1軍デビューを果たし、6月の『フレッシュ・オールスターゲーム』ではMVPを獲得する活躍も見せている。

 

(写真:2ラウンドに一気に勝負に出たエドポロキング<右>は、フィジカルと打撃で上田幹雄を圧倒した ©RIZIN FF)

「(弟の活躍は)とっても刺激になります。ともに頑張って『エドポロ兄弟』として、もっと多くの人たちに自分たちを知ってもらいたい」

 そう話し、エドポロキングは続ける。

「(試合をしていなかった間は米国で)アレックス・ペレイラ(ブラジル/元UFCミドル&ライトヘビー級王者)、ショーン・ストリックランド(米国/UFCミドル級王者)らとスパーリングを重ねてきました。あの苦しい練習が自分を成長させてくれたと思う」

 

 トーナメント決勝は11月8日、千葉・LaLaアリーナ東京ベイ『RIZIN.55』で行われスダリオと激突する。

「まったく負ける気がしない。次も2ラウンドで終わらせます」

 自信満々に話すエドポロキング。

 現在の両者の実力を比較すれば「エドポロキング優位」の予想が妥当だろう。

 かつての「PRIDE」にあって「RIZIN」にないもの。それは、ド迫力のヘビー級ファイトである。規格外のフィジカルを誇り、動きにもスピードとキレを持つ唯一無二の日本人ファイターであるエドポロキングが、トーナメントVを果たしたならばRIZINヘビー級に新時代到来の予感が漂う――。

 

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶8月22日(土)、東京・後楽園ホール/「SHOOT BOXING 2026 act.4」笠原友希vs.ロムイーサン・TIGER REONほか

▶8月26日(水)、東京・後楽園ホール/「GRACHAN 84」伊藤空也vs.ヒクソン・ザ・キングほか

▶8月29日(土)、東京・後楽園ホール/「RISE 201」ライトヘビー級タイトルマッチ、南原健太vs.グンター・カルンダほか

▶8月30日(日)、東京・後楽園ホール/「Krush.191」スーパーフェザー級王座決定戦、西元也史vs.上野奏貴ほか

▶8月30日(日)、新潟LOTS/「プロ修斗 越後風神祭り17」一條貴洋vs.鈴木賛市朗ほか

▶8月30日(土)、大阪・沖縄会館/「闘宝伝承38」武士正300戦突破記念試合ほか

 

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)

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