第848回 工藤公康新監督で中日浮上の予感

facebook icon twitter icon

 

 選手時代にリーグ優勝14回、日本一11回。福岡ソフトバンクの監督としてリーグ優勝3回、日本一5回を記録し、“優勝請負人”と呼ばれる工藤公康が、来季から中日の指揮を執ることになった。

 

 選手としてもコーチとしても、一度も中日のユニホームを着たことのない者が、中日の指揮を執るのは、水原茂、山内一弘に次いで球団史上3人目である。

 

 今季、球団史上ワーストとなる「シーズン逆転負け40回」を記録し、最下位となった中日。井上一樹の後任候補として球団OBの名前が何人か挙がっていたが、工藤を頼ったのは危機感の表れか。

 

 ところで工藤は名古屋市南区の出身。高校は愛工大名電の前身の名古屋電気だ。

 

 

 中日といえば、セ・リーグでは広島と並んで地域色の濃い球団だが、名古屋市出身の監督は野口明に次いで2人目。観客動員にもプラスに働きそうだ。

 

 地元のメディアは日々、競うように中日の情報を発信している。ドラゴンズを冠した番組だけでも「サンデードラゴンズ」「ドラHOTプラス」「ドラナビ」「ライブ・ドラゴンズ!」「ドラ魂キング」「ドラゴンズステーション」と複数ある。今年のオフは、工藤の話題一色となりそうだ。

 

「中日の場合、マスコミとの近さが、逆に命取りにとなることがある」

 

 かつて、こう語っていたのが、チームを4度のリーグ優勝と1度の日本一に導いた、落合博満監督の下で投手コーチを務めた森繁和だ。

 

「首脳陣しか知らないような重要な情報が、球団代表、オーナーへと伝わる間に漏れてしまったことがある。調べると、コーチがつながりのあるメディアに漏らしていたことがわかった。1年目が終わった時点で、チームのためにならないので、こういう人にはやめてもらいました」

 

 どうすれば勝てるか。誰よりも勝ち方を知っている工藤は、どこから改革を始めるのか。来年の中日はダークホース以上の存在となりそうだ。

 

<この原稿は2026年11月9日-16日合併号『週刊大衆』に掲載されたものです>

facebook icon twitter icon
Back to TOP TOP