センコー熊坂光貴、夢は五輪金メダル ~講道館杯全日本柔道体重別選手権大会~

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 毎年秋に行われる体重別日本一を決める「2026年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」(講道館杯)が11月7、8日の2日間、千葉・ちばぎんアリーナで開催される。講道館杯は、2026年度後期の全日本強化選手、グランドスラム東京2026をはじめとする国際大会の日本代表選考会を兼ねている。今大会の注目選手として男子100kg級に出場する熊坂光貴(センコー)を挙げたい。社会人4年目、9月の全日本実業団柔道個人選手権大会を制した26歳に大会への意気込みを聞いた。

好調の理由

――講道館杯はコロナ禍の代替大会(全日本強化選手選考会)を除くと今回が5度目の出場になります。

熊坂光貴: そんなに心境は変わりません。いつも通りの気持ちで、臨みたいと思っています。変わらず挑戦者の気持ちで優勝を目指し、頑張りたい。

 

――昨年は2回戦敗退。その悔しさを晴らしたい思いも?

熊坂: いえ。もちろん負けた悔しさは残っていますが、自分の課題が見えた試合になりました。昨年の負けが今の成長につながっていると自負しています。

 

――具体的にどんな点が?

熊坂: トレーニングを見直しました。齢を重ねていくにつれ、体力が落ちてきている感覚があったので、ラントレ(ランニングトレーニング)を増やし、体力強化を図りました。学生の時はただ走るだけだった。今はセンコーの池野源輝コーチらに見てもらいながら走るトレーニングをしています。また通うジムを増やし、柔軟性を身に付けるトレーニングにもチャレンジしました。おかげでケガも減りました。

 

――終盤でもバテない体力、組み手争いでも負けない筋力が付いたわけですね。

熊坂: そうですね。体力が向上し、相手に投げられる回数も減ったと感じています。一番の効果はケガが減ったこと。それが大きいですね。今年はケガで休むことなく、順調に稽古を積めています。

 

――筋量が増えたことで、逆に減量はきつくなった?

熊坂: 体重自体も増えましたが、代謝はいいので、減量は苦になりません。だいたい2週間かけ、約8㎏落とすようにしています。

 

――今大会、同階級の世界選手権銀メダリスト新井道大選手(東海大4年)、アジア競技大会金メダリスト増地遼汰朗選手(京葉ガス)は出場を免除されています。代表争いに食い込むためにも負けられない大会になります。

熊坂: 最低限決勝に行かないと、日本代表選手選考に入れない。もちろん優勝を目指し、頑張りますが、まずは一戦一戦勝ち進んでいきたいです。

 

――講道館杯に対する憧れは?

熊坂: もちろんあります。ただ、小さい時は自分が出られる大会とは思っていませんでした。国士舘大学に入って、それが現実的になり、同じ階級の飯田健太郎先輩(現・旭化成)が優勝したことで、“自分もいつかは”と思うようになりました。センコーでの優勝は2020年、男子60kg級・米村克麻さん以来いませんから、自分が優勝することで、チームを盛り上げたいと思っています。

 

変わらぬ思い

――入社3年目の昨年、センコーの主将となりました。国士舘大学4年時にも主将を務めていましたが、心境の変化はありますか?

熊坂: そこまで大きく変わることはありません。自分としては言葉よりも行動で示す主将でありたいと思っています。大学時代から、日々の稽古を人よりも努力することを心掛けてきました。その姿勢を部員に見せることで、チームを引っ張っていければと考えています。

 

――9月の全日本実業団柔道個人選手権大会は入社後初の優勝でした。

熊坂: 1年目は3位、2年目はケガで欠場、3年目はベスト8でした。入社4年目にして勝てたことは非常に大きいです。決勝戦で戦った中山康選手(京葉ガス)は昨年の講道館杯で敗れた相手だった。その意味でも成長を実感できた大会でした。

 

――入社して4年目。会社のサポートは?

熊坂: 会社の人たちが柔道を応援してくれていますし、とても居心地がいい環境です。チームもまとまっていて、いい会社だと実感しています。

 

――大学時代は「粘り強さ」を自身の強みに挙げていました。

熊坂: そこは今も変わりませんね。自分はそこを徹底して、粘り強く戦っていきたい。

 

――プライベートでは、昨年10月に結婚されました。

熊坂: 高校生の時から付き合っている彼女なので、生活が大きく変わったということはありません。ただ昨年、結婚後初の講道館杯は2回戦で負けてしまった。今年は大会後に結婚式が控えているので、頑張りたいと思っています。

 

――今後に向けての目標を?

熊坂: 一番の夢はオリンピックで金メダルを獲ること。世界選手権、グランドスラムなどの世界大会で3位以内に入ったことがないので、今は目指すべき一つの山と捉えています。それを一つひとつ越えていくことで、夢が実現できたらと思います。

 

――直近のロサンゼルスオリンピック出場を目指すには、世界選手権2大会銀メダリストの新井選手、アジア競技大会金メダリストの増地選手というライバルに勝たなければいけません。

熊坂: 今回の講道館杯の結果で、グランドスラム東京の出場権を得ることだけでもダメです。グランドスラム東京で優勝した後も、世界大会で続けて優勝していかないと、彼らに並び、超えることはできないと思っています。

 

――現時点でのそれだけの差に、焦ることはありませんか?

熊坂: 全くありません。一つひとつ優勝していくことで辿り着けると考えています。

 

<熊坂光貴(くまさか・こうき)プロフィール>

2000年9月27日、愛媛県生まれ。センコー所属。100kg級。5歳で柔道を始める。津島中学、新田高校、国士舘大学を経て、23年に入社。全国高校選手権の無差別級、全国高校総合体育大会(インターハイ)でいずれも5位。国士舘大では、4年時、講道館杯の代替大会となった全日本強化選手選考会でシニアの全国大会初優勝を飾った。全日本学生体重別でも優勝。センコー入社後は、23年から2年連続で講道館杯3位入賞。24年のグランドスラム東京大会は5位。26年の実業個人選手権で初優勝。身長178cm。得意技は大外刈り。


(取材・構成・写真/杉浦泰介)

※BS11では「2026年度 講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」の模様を11月8日(日)19時から放送します。男子の解説は2010年世界選手権男子100kg級金メダリストの穴井隆将さん、女子は2008年北京オリンピック&16年リオデジャネイロオリンピック女子52kg級銅メダリストの中村美里さんが務めます。ぜひ放送をお楽しみに!

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