ロサンゼルス・ドジャースの黒田博樹は12日、本拠地でのヒューストン・アストロズ戦に先発した。黒田はアストロズ・松井稼頭央を2打席凡退にしとめるなど、初回からノーヒットピッチングを展開。快挙達成が注目を集め出した7回、惜しくもヒットを許したが、6回3分の2を1安打に抑える好投で勝利投手の権利を持ってマウンドを降りた。ところがドジャースはリリーフ陣が総崩れで、5−8と逆転負け。黒田はまたも白星から見放された。
 松井稼との日本人対決が期待された一戦、黒田は素晴らしい投球をみせた。初回、1死走者なしで迎えた「2番・セカンド」に入った松井との初打席。2−2と追い込んだ黒田は、外への変化球を決め、見逃し三振を奪う。立ち上がりを三者凡退に抑えた黒田は低めにボールを集め、アストロズ打線に凡打の山を築かせる。4回に訪れた松井との2度目の対戦も、低めのボールを打たせて、ライトフライに抑えた。

 その後も、四球は出すものの相手に快音を響かせることなく、試合は終盤へ。ドジャース3点リードの7回、難なく2死を取った黒田だったが、次の6番ハンター・ペンスにボールが先行する。カウント1−2からストライクを狙ったボールが甘かった。はじき返された打球はレフトへのヒット。この瞬間、日本人では野茂英雄以来2人目(3度目)となるノーヒッターへの道は閉ざされた。

 黒田は動揺したのか、次打者にもストレートの四球を与える。2死1、2塁とピンチを招き、ジョー・トーリ監督はピッチャーの交代を決断した。この日の黒田は98球を投げてわずかに1安打、5奪三振、4四死球の内容だった。

 ところが、ドジャースの継投策は完全に裏目に出る。黒田の後をうけたジョー・バイメルがタイムリーを浴びると、8回から登板したジョナサン・ブロックストンが大炎上。先頭の松井にヒットを打たれたのをきっかけに、5連打で逆転を許す。4番手の台湾人左腕、郭泓志も1点を失い、終盤の3イニングで計8失点。痛い星を落としたドジャースはアストロズにスイープ(3連戦3連敗)を喫した。

 なお、松井は黒田との対戦では三振、右飛、四球と結果を残せなかったが、第4打席でヒット、第5打席は三振で4打数1安打だった。