球団創設80周年を記念し、巨人がユニホームを一新した。
 コンセプトは「キープ・オール、チェンジ・オール」。守るべきものは全てを守り、改めるべきところは全てを改める――。そんな意味か。


 目を引くのはホーム用の左袖に刺繍された2つの大きな星と2つの小さな星だ。これは計22度の日本一を表している。いわば武勲の可視化である。
 ちなみに2位は埼玉西武(西鉄時代も含む)の13度。“盟主の証明”と言っても過言ではあるまい。

 果たして刺繍の威嚇効果は?
「ウチが右ピッチャーだと、当然、相手のバッターは大小合わせて4つの星が目に入ります。逆にウチのバッターが右だと、相手のピッチャーは星を見ながら投げなくてはいけない。選手は左利きよりも右利きの方が多い。相手に与える心理的なプレッシャーも小さくはないと考えています」(球団関係者)

 オールドファンにとって懐かしいのはビジター用のユニホームだ。ここ数年、巨人のビジター用といえばグレーだったが、カクテル光線に映える色としてV9時代のブルーを復活させた。
「これは黄金期の象徴。強さのシンボルなんです」(前出・球団関係者)

 V9時代を知る者としてブルーの復活には賛成だが、どうせなら胸のロゴもビジター用は「TOKYO」に戻したらどうか。ONが活躍したV9時代にならって。
 ビジター用のロゴは02年7月に「YOMIURI」になり、05年は「YG」を組み合わせた左胸のワンポイント、06年からはホーム同様「GIANTS」になった。

 なぜ「TOKYO」をやめたのか。巨人は全国区のチームであり、東京だけのチームではないと言いたいのか。

 メジャーリーグに目を移せば、ヤンキースだってビジター用には「NEWYORK」の文字が入っている。巨人も東京のチームであることを強調してこそ「キープ・オール」だろう。

<この原稿は2014年3月31日号『週刊大衆』に掲載されたものです>


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