二宮: バレーボール教室やVリーグの解説など忙しそうですね。V・プレミアリーグ女子では3連覇を狙う久光製薬が6勝1敗と好調なスタートを切りました。
大山: 新鍋理沙選手、長岡望悠選手、石井優希選手ら全日本メンバーも何人もいて、今季は強いことは確かです。個人的には古巣の東レの不振が気がかりです。木村沙織選手が復帰し、中道瞳選手、迫田さおり選手と戦力は久光にもヒケをとらないのに、なかなか歯車がかみ合っていません。

 寿司屋で全日本の飲み会

二宮: 教室で全国を回ると、その土地のおいしいものや、お酒を飲む機会も多いのでは?
大山: やはり地方に行って、おいしいものを食べている時が一番、幸せですね。ただ、現役時代と比べて運動量は減っているので、食べ過ぎるとちょっとマズイ……。量は気をつけないといけないと思いつつ、おいしいので、ついつい手が出てしまいます(苦笑)。

二宮: お酒は普段はどんなものを?
大山: あまり強い方ではないので、梅酒ソーダとか軽めのものをいただいています。

二宮: 梅酒ソーダを飲まれるなら、今回のお酒は、きっと喜んでいただけると思います。そば焼酎「雲海」のソーダ割り、Soba&Sodaです。
大山: グラスがかわいいですね。焼酎のイメージとは全く違います。炭酸モノは大好きなので歓迎です。

二宮: そば焼酎「雲海」のソーダ割り、Soba&Sodaは見た目も爽やかで、実際にも「飲みやすい」と、どのゲストからも評判です。
大山: あっ、これはいけますね。そば焼酎を飲んだのは初めてですが、スッキリとしていて後味がいい。ソーダで割るから余計に飲みやすいのではないでしょうか。焼酎好きな友人も多いので勧めてみようと思います。

二宮: 大山さんも、ぜひ自宅でも試してみてください。
大山: ありがとうございます。ソーダの量も調整できますから、これだとお酒がそんなに強くない私でも楽しめそうです。

二宮: 現役時代は全日本やチームで飲み会をすることも多かったと思います。印象に残っているお酒の席は?
大山: 全日本の時は柳本晶一監督が、合宿で選手の疲れが溜まってきた頃に、よくお寿司屋さんに連れて行ってもらいましたね。カウンターに選手をバーッと並べて、お寿司をつまみながら、お酒を飲んでワイワイやるんです。

二宮: それは、いい気分転換になるでしょうけど、監督の財布が一気に空になりそうです(苦笑)。
大山: 結構、みんな、遠慮なく食べていましたよ(笑)。飲める選手はどんどんお酒も注文していました。

二宮: 一番、お酒好きな選手は?
大山: 当時は吉原知子さん、成田郁久美さん、佐々木みきさん、シン(高橋みゆき)さんあたりが、お酒を飲みながら場を盛り上げていましたね。一方でテン(竹下佳江)さんやメグ(栗原恵)は静かに飲むタイプ。私は、その両方を見ながらお酒を楽しむ感じでした。

二宮: 東レで飲み会をしたことは?
大山: 東レは近くに飲みに行くような場所もないので、みんなで合宿所のラウンジに集まって、たこ焼きパーティーをしながら、お酒を囲んでいました。

 ミドルの存在は重要

二宮: なんだか、アットホームな感じでいいですね。さて、今年の全日本女子では新戦術の「ハイブリッド6」が話題になっています。この試みをどうみていますか。
大山: この作戦は日本にミドルブロッカーで得点を獲れる選手がいないという弱点を補うための戦術です。日本は木村選手、新鍋選手、迫田選手とサイドアタッカーに優秀な選手はたくさんいる。だから、ポジションの概念を撤廃して、サイドもミドルの役割も果たすんです。8月のワールドグランプリ決勝リーグでは過去最高の2位になりましたが、その後の世界選手権では7位。やはり、ミドルできっちりブロックができる選手が求められると感じました。

二宮: 海外の強豪はミドルがしっかりしていますね。
大山: 海外のミドルは190センチと長身の選手が揃っています。日本にそんな体型の選手はなかなかいません。それでもミドルにいい選手がいないとブロックがボロボロになってしまう。今回の世界選手権でも、その点が大きな課題として残ったように感じます。

二宮: 海外の選手は体格のみならず、跳躍力もズバ抜けていますからね。
大山: 高いジャンプ力を生み出すお尻から太ももにかけての筋肉がものすごく発達しています。あれは見ていて格好いいし、うらやましい。日本人では、どんなにトレーニングしても、あのお尻と太ももをつくるのは難しいでしょう。今、高校1年で宮部藍梨選手という日本人とナイジェリア人のハーフの選手が将来を期待されていますが、彼女のバネは抜群ですね。ただ、彼女のポジションもミドルではなく、サイドなんです。

二宮: 現段階の全日本で、ミドルの中心になってほしい選手は誰でしょう?
大山: やはり荒木絵里香選手になるでしょうね。出産で一時、離れていましたが、復帰し、上尾メディックスの主力として活躍しています。1月に出産して1年も経たないうちに、あれだけの動きができるのは素晴らしい。リーグ戦に入って週4日は子どもに会えない生活になるので本人は寂しそうですが、子育てとの両立がうまくできれば、代表でもまた中心になってくれるでしょう。

二宮: 大山さんが出場したアテネ五輪の頃は吉原さんがミドルの中心でしたね。
大山: 今の日本のミドルを見ていると、動き回るタイプが多くて、セッター付近でクイックを打てる選手が少ない。それができるのが、吉原さんであり、荒木選手なんです。

二宮: 攻撃面でもミドルがスパイクを打ってくれないと、サイドのアタックも決まりにくいでしょう?
大山: そうですね。相手からすれば、ミドルからの攻撃は捨ててもいいことになります。日本はレシーブが乱れると、ミドルからの攻撃がほとんどない。トスがどうしてもサイド、サイドと一辺倒になりがちです。だからサイドに2枚、3枚とブロックがついてしまう。海外のチームは多少、レシーブが乱れてもミドルを使ってきます。

二宮: サイドの負担を減らす上でも、やはりミドルの役割は大切だと?
大山: 今の日本はミドルが機能しない中でも、木村選手や江畑幸子選手がサイドで得点源になっている。相手がマークする中でも決めているのだから、それだけ能力が高い証拠だと言えます。特に木村選手は世界的にも、あれだけ優秀な選手はいません。スパイクのみならず、すべてのプレーを高いレベルでこなせます。2年ぶりに戻ってきた東レでは、まだ本調子ではないようですが、2年後のリオデジャネイロ、そして6年後の東京五輪まで日本を引っ張るつもりで頑張ってほしいです。

二宮: 大山さんもサイドのポジションでしたが、ミドルの経験は?
大山: ミドルはやったことがないんです。体は大きかったので、ミドルで使う選択肢もあったのでしょうが、私はスパイクを打つことに特化させられました。おそらくブロックが苦手だったせいかもしれないですね(苦笑)。

 スパイク両打ちは可能?

二宮: バレーボールを見ていて、素朴な疑問なのですが、右利きの選手は決まって右で打ちますよね? サッカーのストライカーが左右でシュートを放つように両方打てるようになれば、かなりの武器になるのでは?
大山: 確かにそういう選手がいたら、おもしろいかもしれませんね(笑)。ただ、私の経験上ではかなり難しい。もしできるとしたら、日本では木村くらいでしょうね。遊びでサーブを左で打つこともありますから、練習したらスパイクも左で打てるかもしれない。

二宮: 両方で打つと、相手もスパイクの出どころが読めません。両打ちの選手が生まれれば、高さで勝る海外勢にも対抗できるのではないでしょうか。
大山: それをクリアするには助走とタイミングの問題を解決しなくてはなりません。同じステップの助走で、腕だけ打つ方を変えるのは難しい。踏み切りも逆足になるので、両方で同じように高く跳べることが条件になるでしょうね。

二宮: ちなみに、大山さんは左で打ったことは?
大山: ないです。左は全く使えないですね。小さい頃から練習しておけば右より打てるようになったかもしれませんね(笑)。

二宮: ミドルの話に戻すと、名前の挙がった荒木選手も、もう30代ですから、今後を考えて若手も発掘しなくてはいけません。
大山: それが……。なかなか、これと言った人材が高校生の年代にもいないんです。1月の春高バレーでも注目選手はサイドが多い。今、全日本でミドル不在の戦術をとっていますから、余計に、このポジションを志す子どもたちが現れないのではないかと心配です。

二宮: 目標となる存在がいないから、ますます選手が育ってこない悪循環に陥るということでしょうか。
大山: そうなんです。やはり、バレーを始めたばかりの小学生は全日本の選手に憧れて同じポジションをやりたがる。今は高校生をはじめとする若い世代が「ミドルのままだと全日本に選ばれない」と思ってしまわないか不安を感じます。逆に「ミドルが手薄だからチャンス」ととらえてくれるとうれしいのですが……。

二宮: 来年は夏にリオ五輪の予選を兼ねたワールドカップが開催されます。今年の反省を踏まえて眞鍋政義監督が、どう戦術を改良していくが。ここが注目のポイントですね。
大山: 前回のロンドンで銅メダルを獲得しているだけに、周囲が五輪出場は大丈夫というムードになってしまうのは気をつけたいところです。アジアを見ても中国などは若い選手が出てきてチーム力が上がってきています。当然、現場は油断していないと思いますが、五輪に向けて、もっと力をつけていかないといけないことは確かです。

(後編につづく)

大山加奈(おおやま・かな)
1984年6月19日、東京都生まれ。小学2年から地元のクラブチーム「ひまわり」でバレーボールを始め、6年時にはライオンカップ全日本小学生大会で優勝した。成徳学園中学3年時には、全国中学校選手権で優勝。成徳学園高ではエース、主将を務めた3年時に、インターハイ、国民体育大会、春高バレーと3冠を達成する。卒業後、03年にVリーグの東レに入団し、その年の新人賞に。全日本には高校2年時に初選出。 04年アテネ五輪に出場した。 05年以降は持病の腰痛に苦しみ、08年の北京五輪を断念。手術を受け、リハビリを経て 09年に実戦復帰を果たす。その後も腰痛が再発し、10年6月に現役を引退。現在はバレーボール教室での指導や、テレビのリポーターなど、幅広く活動している。
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◎クイズ◎
 今回、大山加奈さんと楽しんだお酒の名前は?

 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:石田洋之)


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