愛媛県体育協会などが主催する「2015新春えひめスポーツのつどい」が3日、松山市内のホテルで開かれた。集まったのはボートの武田大作選手(ダイキ)など、2年後の「愛顔(えがお)つなぐ、えひめ国体」へ県内を拠点に活動するアスリート、スポーツ関係者など約300名。ソフトテニスで2年連続国体に出場した3つ子の青木彰彦選手、雅彦選手(ともに愛知学院大)、梨香選手(千里金蘭大)が司会を務めた。出席者はお互いの親睦を深めつつ、新たな年の決意を新たにしていた。
(写真:壇上で2015年とえひめ国体に向けた活躍を誓う選手たち)
 この「新春のつどい」が開催されるのは、今年で9回目だ。スポーツ関係者が一堂に会し、2017年のえひめ国体に向けて機運を高めようと毎年1月3日に行われてきた。

 国体開催まで残り2年と迫り、昨年7月には日本体育協会が正式に実施を決定し、会期(9月30日〜10月10日)や各競技の日程も固まった。大会盛り上げに欠かせない県勢の競技力向上も、昨年の「長崎がんばらんば国体」では天皇杯(男女総合)21位と、前年の26位から順位を上げ、成果が出始めている。

 会の冒頭では、国体開催の決定書が披露され、県体協の大亀孝裕会長が挨拶。「64年ぶりの初めての(愛媛県)単独開催でもあるので、ぜひ総合優勝したい」と改めて天皇杯獲得への強い意気込みを示した。その上で、「あと3年を切った。まさに正念場である。皆さんと一緒に頑張ろう」と出席者に呼びかけた。

 続いて祝辞を述べた中村時広県知事は、「県としてもえひめ国体を成功させるため、施設・設備等の準備に最善を尽くす」と厚いサポートを約束した。さらには国体の機運盛り上げのため、マスコットの「みきゃん」を「ゆるキャラグランプリでトップにしたい」と夢を語った。みきゃんは、愛媛の特産品であるみかんと、野を駆ける動物に似た愛媛県の形と愛媛の方言「〜やけん(犬)」から、犬をモチーフにしたキャラクター。これまでも、さまざまなイベントに登場して国体開催をPRしてきたが、今年はより露出が増えそうだ。

 来賓紹介、祝電披露、乾杯の後、出席した各競技のアスリートが壇上に上がり、今年の抱負をそれぞれ披露した。オークションやお楽しみ抽選会も行われ、県出身のプロゴルファー・松山英樹選手のサイン入りポロシャツや、昨年の世界柔道で優勝した中矢力選手の愛用Tシャツと帯のセットなど、各競技のアスリートのグッズやスポーツ用品が出品された。オークションの売上は国体選手の強化費に充てられる。

 今回の新春のつどいに合わせ、県体協では各企業の協賛を得て、愛媛新聞紙上に国体開催をアピールする全面広告を掲載した。紙面では「競技団体の決意と県民への周知」を目的に、40競技団体がえひめ国体への誓いを立てた。

「目指すはてっぺん!!」(ボート)
「初の総合優勝を取りに行きます」(サッカー)
「成年と少年の総合力で目標達成」(バレーボール)
「新居浜を海のスポーツの拠点に」(セーリング)
「全4種別での優勝を目指して」(ソフトテニス)
「えひめ国体144点を目指して」(剣道)

 県体協はこのように各競技団体が目標を明らかにしたことで、「決意を新たにし、総合優勝への機運が高まった」と見ている。また「県民が競技力向上への努力と総合優勝への意気込みを知った」と効果を感じている。 

 新春のつどいを振り返って、県体協は「県内企業の役員の参加が増えた。えひめ国体に向けて、選手の雇用をお願いしていることもあり、関心が高まっていることが実感できた」と有意義な会合だったと振り返る。今年の国体は和歌山県が舞台となり、「2015紀の国わかやま国体」と題して実施される。県体協では天皇杯の目標順位を10〜15位に定め、強化の取り組みに一層力を入れる考えだ。

 引き続き、成年の戦力充実へ有望選手の確保、雇用先開拓を推進し、競技力をアップさせる。また少年に対しても、県外から県内の高校に入学する有望選手に補助金を出す少年種別強化奨励金事業を開始する。

 この28日からは群馬県で「2015ぐんま冬国体」が開かれる。県勢で期待されるのは、スピードスケート成年女子で500メートル、1000メートルに出場する土田愛選手だ。県の競技力向上対策本部からスポーツ専門員として採用され、昨年は500メートルで4位入賞を収めた。今年は両種目で決勝に進出し、競技得点で10点獲得を狙う。
(写真:山梨学院大時代には国体成年女子2000メートルリレー優勝、全日本学生スピード選手権スプリント女子総合優勝の実績を持つ)

 国体では、この冬季競技から、その年の天皇杯の得点が加算される。颯爽とした滑走で県勢の躍進へ先陣を切りたい。

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(石田洋之)
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