2日、日産スタジアムで南アフリカW杯3次予選グループ2第3戦が行われ、サッカー日本代表はオマーン代表と対戦。前半10分、DF中澤佑二のヘッドで日本が先制、22分にはDF田中マルクス闘莉王のポストプレーからFW大久保嘉人がミドルを叩き込み加点した。後半4分にはMF中村俊輔が珍しく右足でゴールを決め、3−0で4連戦の初戦を白星で飾った。

 中村俊、右足でダメ押しゴール (日本・横浜)
日本代表 3−0 オマーン代表
【得点】
[日] 中澤佑二(10分)、大久保嘉人(22分)、中村俊輔(49分)
 攻撃に不安のあった岡田ジャパンが、最高の形で勝負の4連戦をスタートした。 
 是が非でも勝利したい日本はキリンカップのパラグアイ戦、東海大との練習試合で採用した4−5−1のシステムをとった。トップには玉田圭司、トップ下に大久保嘉人が入り、左に松井大輔、右に中村俊輔の海外組が陣取った。

 立ち上がりから日本は5ディフェンスで守りを固めてきた相手の背後をつく。まずは3分、田中マルクス闘莉王が裏にロングボールを送り、前線の大久保へ。競り合ったところを、玉田が駆け込み、シュートを放つ。これは惜しくもバーの上に外れた。

 その後も相手陣内で攻撃を展開した日本に、ゴールの瞬間は早くも訪れる。10分、遠藤のコーナーキックにややゴールから離れた位置から中澤佑二が飛び出す。相手DFとの競り合いを制し、ボンバーヘッドが炸裂。ボールはゴールネットに豪快に突き刺さった。日本はセットプレーで幸先よく先制点をあげる。

 さらに日本の攻撃は続く。16分には、右サイドから中村俊がファーへ走った松井へパスを出す。こぼれ球を玉田がフォロー。さらにドリブルで切り込もうとするが、これは相手に阻まれた。

 21分には中村俊が右サイドを追い越して上がってきた駒野友一へスルーパス。相手DFの間を完全に破る。これを受けた駒野が鋭いクロスを入れると、大久保が頭で合わせた。惜しくも相手GKの正面を突いたものの、日本の流れるような攻撃に追加点が入るのは時間の問題だった。

 直後の22分、得点を生み出したのは中村俊だ。これまた相手DFの裏を破る高いボールが前線へ送り込む。これを闘莉王が冷静に頭で落とすと、そこにいたのは大久保。振りぬかれた右足から放たれたボールが再びゴールネットを揺らした。2−0。日本にとっては理想的な形で2点目が入った。

 時間の経過に伴って、オマーンにボールを持たれる時間も増えたが、日本も攻撃の手を緩めない。危ない場面をほとんどつくらせることなく、試合を折り返した。

 そして後半、この日、3度目の歓喜の瞬間がやってくる。4分、左サイドに上がった松井が縦パスを受け、ボールをキープ。相手を引き付けておいて、中央にパスを出す。受けるは中村俊。前に立ちふさがった2人のDFに得意の左を使うと見せかけて右へかわす。そのまま右から打った低い弾道のシュートは相手GKの手をかすめ、ゴール左隅へ。鮮やかな3点目にスタジアムは一番の盛り上がりをみせた。

 以後は完全な日本ペース。戦意を喪失したオマーンに対して日本は両サイドを使って襲い掛かる。左ではW杯予選初出場の長友佑都が何度もクロスをあげ、右サイドには途中出場の19歳・香川真司が、速いドリブルで突破する場面もみられた。反撃らしい反撃がみられない相手に、さらなるゴールがなかったのは残念だったが、海外組と国内の代表常連組、そして若い力が融合して90分を戦い抜いた。

 この日、死去したサッカー協会長沼健元会長に捧げる白星をあげ、日本は大事な勝ち点3をモノにした。首位のバーレーンがタイにアウェーで勝利したため、日本のリーグ2位は変わらず。次戦は7日、アウェーで再びオマーンと対戦する。

<日本代表出場メンバー>

GK
楢崎正剛
DF
長友佑都
⇒今野泰幸(82分)
田中マルクス闘莉王
中澤佑二
駒野友一
MF
遠藤保仁
長谷部誠
松井大輔
中村俊輔
FW
大久保嘉人
⇒香川真司(72分)
玉田圭司
⇒巻誠一郎(78分)