2日、BCリーグは新潟県糸魚川市で、初年度から行なわれてきた「MIKITO AED PROJECT」についての会見を開き、活動報告を行なった。同リーグによると、昨年度は8台のAEDを新潟、長野、富山、石川4県それぞれの施設に寄贈した。
(写真提供:株式会社ジャパン・ベースボール・マーケティング)
「MIKITO AED PROJECT」はAED普及拡大を目的としたプロジェクト。各試合会場の売店などでシリコンバンドが売られ、その収益金がAED購入に当てられている。2007年度には9,969本の売上げを数え、8台のAEDが寄贈された。

 同プロジェクトは、2006年7月9日に試合前の練習中に突然、急性心不全で倒れ、亡くなった水島樹人(みきと)君のことを知った村山哲二代表と新潟アルビレックスBC・石田慶太郎前社長が「このリーグで夢をもつ子供たちに、二度と同じことが起こらないように何かできないだろうか」という思いから考案。各球団の監督の賛同のもと、プロジェクトが立ち上げられた。

 水島君は当時、小学4年生で新潟・糸魚川市の少年野球チームに所属し、糸魚川市の夏季大会準決勝で、試合前のランニング時に崩れるようにして倒れた。すぐに病院に運ばれたが、水島君が再び目を開けることはなかった。もし、球場にAEDがあれば、水島君は一命をとりとめられた可能性がある。こうした事故が二度と起きないようにという願いが同プロジェクトには込められている。

 2日の会見では今年度から、新たに漫画家水島新司氏のイラスト入りリストバンドが販売されることが発表された。また、リーグスポンサーのアサヒビールでは「スーパードライ」(BCリーグバージョン)1本につき1円を当プロジェクトに寄付されるという。今年度、新規参入した群馬ダイヤモンドペガサスでは高崎ハムからの協力が得られる模様で、プロジェクトは徐々にその活動範囲を広げつつあるようだ。