北京五輪陸上競技の日本代表に決定した富士通所属の4選手(男子短距離の塚原直貴、高平慎士、男子3000メートル障害の岩水嘉孝、男子20キロ競歩の森岡紘一朗)が、都内・汐留の同社にて記者会見を行い、それぞれ北京五輪での目標を語った。

(写真:北京五輪での目標を記した旗を手に持つ富士通所属の選手たち。(左から)森岡、高平、塚原、岩水)
 男子短距離の代表で、200メートルとリレーでの活躍に期待がかかる高平は、今回がアテネ五輪に続く2度目の五輪代表入り。「個人で準決勝進出」と目標を掲げた高平は、「セミファイナルに進んでみないとわからないものがある。五輪は4年に一度の舞台。今までもランキングでは下の方だった選手が、本番で上に行くのを見ている。一つでも上のラウンドにいけるように頑張りたい」と意気込んだ。
 さらに、昨夏、大阪で行われた世界選手権で5位入賞を果たした400メートルリレーについて「大阪のときとメンバーは変わらない。朝原(宣治・大阪ガス)さんは今回が最後の五輪になると思うので、みんなでメダルを勝ち取りたい」と力強く語った。

 日本選手権の男子100メートルで3連覇を果たし、北京五輪では100メートルのほか、400メートルリレーで日本チームの柱となる23歳の塚原は、「個人でファイナリスト!」という目標を書き込んだ旗を手に、「いつかは(決勝進出)という思いでいる。若い力で北京へ乗り込みたい」と抱負を語った。

 今年、富士通に入社した男子20キロ競歩の森岡は、選考レースから五輪代表発表までの3ヶ月を振り返り「(代表に)決まってホッとしている」と笑顔を見せた。「世界で戦うということを意識して臨みたい。大阪(世界選手権)でアジア特有の高温多湿の中を経験しているので、北京でも良いレースができると思う」と意欲を見せ、「最後まで美しく歩き続けたい」と意気込んだ。

 トヨタ自動車から富士通に移籍した男子3000メートル障害の岩水は、アテネ五輪に続き2度目の五輪代表入り。世界の舞台での経験も豊富な岩水は、目標を「全力を尽くすのみ!」と記し、「日本記録を狙える状態にもっていきたい。メダルを取るような気持ちで頑張りたい」と引き締まった表情で話した。

 富士通勢では、この4選手のほか、走り高跳びの日本記録を持つ醍醐直幸も五輪参加標準記録Aを突破しているが、代表選考会を兼ねた日本選手権では2位となり、内定条件となる優勝を逃した。これにより30日に発表された第一次代表メンバーからは外れたが、7月6日に行われる南部記念陸上に出場し、追加代表を目指す。