20日、日本サッカー協会(JFA)はJFAハウスで記者会見を行い、急性脳梗塞で順天堂大学浦安病院に入院しているイビチャ・オシム日本代表監督の現況について、田嶋幸三専務理事が「まだ意識はない。今までと変わらず、小康状態を保っている」と語った。
(写真:オジェック氏後任説を否定する田嶋幸三専務理事)
 入院してから毎日欠かさずに行われてきた検査が本日はなかったという。田嶋理事は「1日に何度もやらなければならなかった検査がなかったということは、一つのヤマを越えたことの客観的な説明になるのかもしれない」と話し、「家族もずいぶん休めるようになったようだ。通訳と一緒に集中治療室の中に入って面会などをしていた」と病院内の落ち着きつつある様子を表現していた。

 また、一部メディアによって報じられた現浦和レッズ監督のホルガー・オジェック氏の次期日本代表監督内定とのニュースは強く否定。今朝、オジェック氏に電話をかけ、事実がないことを確認したという。「我々は、そういう話をした覚えがないし、オジェックさんもそんなことは言っていない。オジェック氏から『こんな時期にニュースになってしまって申し訳ないとオシムさんの家族に伝えておいてくれ』と言われた」と話した。

 浦和の中村修三GMから電話があったことも明かし、「私が技術委員長として、千葉の監督だったオシムさんに代表監督就任をお願いした時は祖母井さん(元千葉GM)を通した。中村GMを飛ばして話をするなんて、とんでもない。(クラブW杯やリーグ戦で)浦和はすごく大事な時期なのに、浦和のファンの方に申し訳ない」と語った。

 改めて後任人事について問われると、「(オシム監督の後任を探すのは)危機管理をしていく上で、当然のことだと思う。僕も技術委員長やっていた時は、いつ何が起こっても大丈夫なように(後任人事について)常に考えていた」と危機管理の必要性を認めながらも、「小野が具体的にどう動いているかは私の方からはありません」と語らなかった。