第22回ビーチバレージャパン最終日が8月3日、神奈川・鵠沼海岸で行われ、北京五輪代表に決定している朝日健太郎(CHINTAI)・白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)組が、決勝で青木晋平・長谷川徳海(ともにSANDBLOCK)組を2−0で下し、大会3連覇を果たした。
 同時開催された女子のマーメイドカップは、昨年準優勝の小泉栄子・田中姿子(ともにデンカエレクトン)組が2年ぶり2度目の優勝を果たした。前日までに2連敗を喫し連覇を逃した北京五輪代表の佐伯美香(ダイキ)・楠原千秋(湘南ベルマーレ)組は、浅尾美和・西堀健実(ともにエスワン)組を2―1で下し、1勝2敗で3位となった。
(写真:ビーチバレージャパン&マーメイドカップの上位選手たち)
 日本男子ビーチバレーで12年ぶりの五輪出場を決めた朝日・白鳥組と、準決勝で西村晃一・森川太地(ともにレオパレスウィンズ)を破って勝ち上がった青木・長谷川組の決勝戦。五輪代表組の朝日・白鳥は、接戦の中で主導権を握り、第1セットを21−18で先取。続く第2セット、序盤、朝日のミスなどで、青木・長谷川組に一時は6点ものリードを許す苦しい展開となったが、中盤以降に白鳥の強打などで流れを引き寄せると逆転に成功。21−17で連取し、2−0で貫禄の3連覇を果たした。
 試合後、朝日は「白鳥に助けられながら、何とかプレーできた。今日の殊勲賞は白鳥だと思う」と振り返った。一方の白鳥は、渡辺聡、西村晃一とのペアを含めて7連覇を達成。苦しい場面でもしっかりとボールをつなぎ、チームを勝利へと導いた白鳥は、「苦しくても最後まであきらめない気持ちでワールドツアーも戦ってきたことが、北京五輪出場権にもつながったと思っている」と語った。
 一般公募で命名されたという朝日の「サンライズブロック」にちなみ、「北京でもサンライズブロックを決めて、日の丸をサンライズしてきます」と朝日が言えば、「サンライズがサンセットにならないように(笑)、しっかりサポートしたい」と白鳥。コート外でも絶妙のチームワークを見せる日本最強ペアが、北京五輪へと弾みをつけた。

 出場4組の総当り戦で優勝を決定する女子のマーメイドカップは、小泉・田中組が、2戦を終えて2勝の浦田聖子・鈴木洋美(ともにレオパレス・ウィンズ)を2−0のストレートで下し、得失点差で2年ぶり2度目の優勝を決めた。北京五輪出場権獲得は逃した小泉・田中だが、「五輪はダメだったけど、この4年、すごくたくさんの人に支えられた。五輪がダメだったからできないというのではなく、最後まで頑張ろうという気持ちで戦った」(田中)とベテランペアの意地を見せた。
(写真:マーメイドカップで2年ぶりに優勝した田中(左)・小泉組)

(写真:試合後、北京五輪代表選手の壮行会も行われた)
 北京五輪代表の佐伯・楠原組は、前日までの小泉・田中戦、浦田・鈴木戦でいずれも1−2の僅差で敗れ、連覇を逃した。佐伯の腰の状態を心配する声も出る中、この日の浅尾・西堀組戦、第1セットを接戦の末に19−21で落としたが、第2セットからは地力を見せ、21−10、14−10と残り2セットを連取し、勝利をおさめた。
 試合後、「(前日までの)試合の内容ではそう思われても仕方ないけど、腰は本当に大丈夫です(笑)」と語った佐伯は、「シドニー五輪後、結婚、出産を経て現役に復帰したのは、北京五輪のため。最後までメダルを目指して頑張りたい」とあらためて決意を口にした。
 アテネ大会に続く2大会連続の五輪出場となる楠原は「アテネでは予選落ちに終わった。北京での最低ラインは予選突破。そこから1つ1つ勝って、出るからには頂点を目指したい」と力強く意気込んだ。
 北京五輪ビーチバレーの予選1次リーグは8月9日から始まる。五輪前最後の実戦を終え、代表選手たちは息をつく間もなく北京へと乗り込む。


第22回ビーチバレージャパン
<上位結果>
優勝 朝日健太郎(CHINTAII)・白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)
2位 青木晋平・長谷川徳海(SANDBLOCK)
3位 高尾和行KYUBA)・仲矢靖央(BTOC)
   西村晃一・森川太地(レオパレス・ウインズ)

マスターカードマーメイドカップ
<結果>
優勝 小泉栄子・田中姿子(デンカエレクトロン)
2位 浦田聖子・鈴木洋美(レオパレス・ウインズ)
3位 佐伯美香(ダイキ)・楠原千秋(湘南ベルマーレ)
4位 浅尾美和・西堀健実(エスワン)