野球の1次リーグ第2戦が行われ、日本は台湾を6−1で破り、今大会初勝利(1勝1敗)をおさめた。1−1の同点で迎えた5回、稲葉篤紀のタイムリーで勝ち越し。最終回には4点を追加して試合を決めた。投げては7回から岩瀬仁紀、藤川球児、上原浩治の抑え3投手が磐石の投手リレーで逃げ切った。
◇1次リーグ
 阿部、貴重な同点アーチ
日本代表      6 = 000011004
台湾代表      1 = 000100000
勝利投手 涌井
敗戦投手 許
本塁打   (日)阿部ソロ

 試合は日本は涌井秀章、台湾は許文雄と予想通りの先発で、雨のためプレーボールが1時間遅れて始まった。序盤は先発の許の落差のあるチェンジアップとストレートのコンビネーションに手こずる。

 初ヒットが出たのは4回。先頭の青木宣親が外のボールを叩いて三遊間を突破する。青木は盗塁で二塁に進み、先制のチャンスを迎えるが、4番の新井貴浩がチェンジアップに泳がされてピッチャーゴロ。5番の稲葉はホームラン性の大飛球をライトへ放ったものの、フェンス手前でグラブの中に収まった。日本は絶好の得点機を逃す。

 こうなると流れは台湾へ。4回、彭政閔に甘く入ったカーブをとらえられ、あわやレフトフェンスオーバーの2塁打を打たれる。この後、四球と犠打で2、3塁とピンチが広がり、6番の蒋智賢には直球を詰まりながらもセンター前へ。これがタイムリーとなり、日本は初戦のキューバ戦に続き、先制を許した。

 だが、悪い流れを変えたのが、予選で活躍した男の一発だった。直後の5回、1死から阿部慎之助が低めのカーブをうまくすくいあげる。ボールはグングン伸びてライトスタンドへ。昨年のアジア予選で打率.769を残した強打者の一振りで日本は同点に追いつく。

 さらに6回、青木のヒットを足がかりに日本は得点圏へ走者を進める。ここで台湾は投手を元西武の張誌家にスイッチ。4番の新井は空振り三振に倒れたものの、続く稲葉が初球を叩く。打球はライナーでセンター前に抜け、青木が俊足を飛ばして生還。日本はこの大会、初めてリードを奪った。

 涌井はこのリードを保ち、7回から岩瀬にバトンを渡した。後を継いだ岩瀬はヒットを1本打たれたものの、大きなライトフライで走者が飛び出すミスにも助けられ、3人で相手の攻撃を終わらせる。

 そして8回は藤川。豪速球がうなり、フォークボールがストンとおちる。最後は149キロのストレートで三者連続の空振り三振。これで勝負はついた。

 9回、相手投手陣の乱調につけこみ、1死満塁から9番・中島裕之がライト前へタイムリー。続く西岡のヒットなどでさらにリードを広げた。点差のついた場面ではあったが、最終回のマウンドに上がったのは上原。最後を託されたクローザーは簡単に3人で締め、復活を印象づけた。金メダルへの第一歩を踏み出した星野ジャパンは14日、2連敗スタートのオランダと対戦する。