12日、サッカーU-22日本代表は北京五輪最終予選第3戦でU-22カタール代表を1−0で破り、勝ち点7でグループの首位に立った。後半22分にMF本田拓が退場して10人になったが、守備陣が踏ん張り、前半の1点を守りきった。

◇9月12日、国立
U-22日本代表 1−0 U-22カタール代表
【得点】
[日] 梶山陽平(5分)
 カタールの猛攻を10人で耐えしのぎ、北京行きへ大きく前進した。

 日本のシステムは4−5−1で、第2戦のサウジアラビア戦に続いてFW森島の1トップ。その背後に左からMF家長、MF柏木、MF水野が並んだ。主力のMF本田圭を累積出場停止で欠く左サイドには主将のDF伊野波が入った。

 試合開始からホームの日本は主導権を握った。開始約30秒、水野が右サイドにこぼれたボールを右足で強烈に叩き、挨拶代わりの一撃。5分には、セットプレーから先制点を奪う。右サイドのFK、水野が放り込んだボールをMF梶山がGKの鼻先でヘッドを流し込んだ。GKの飛び出しが遅れたところを見逃さなかった。

 その後も日本のペースだったが、どちらが点を奪ってもおかしくはなかった。カタールは12分、ゴール正面からMFマジディが狙い済ましたミドルでゴールを狙うと、33分、日本も家長の左クロスにフリーの森島がダイビングヘッドを放つ。ただ、互いにネットを揺らすことができない。

 後半に入ると、日本を次々と思いがけないアクシデントが襲う。55分、先制ゴールを奪った梶山が相手選手と接触して負傷交代を余儀なくされると、22分には、セットプレーで相手がFKを蹴る前にMF本田拓が動いてしまい、反スポーツ的行為でイエローカード。すでに前半に一度警告を受けていた本田は退場となり、日本は10人での戦いを余儀なくされる。

 だが、ここから、数的有利を生かして猛攻を仕掛けたカタールに対し、日本の粘り強い守備が冴え渡る。71分、水野に代えてDF小林をボランチに投入して応急処置。78分には、右サイドを崩され、至近距離からフリーでシュートを打たれたが、GKの山本が左足を伸ばして弾き出す。守護神のファインセーブでこの試合最大のピンチを防ぐ。

 その後も主将の水本が危ない場面を2度のタックルで抑えるなど、ゴールを許さない。5分間の後半ロスタイムも柏木、家長のボールキープで消費してタイムアップ。カタールの猛攻を耐えしのいだ日本が直接対決を制して、勝ち点7のグループ首位に浮上した。

 執念の守備を見せたチームに反町監督も称賛を惜しまなかった。「予想通りの厳しいゲームだった。寿命が縮む思いだったが、GKの堅守もあって、勝ち点3をとることができた。最後まで声をかけあって、足をとめなかったことは評価したい」。カタールのハッサン監督は「引き分けるべき試合だったし、勝っていてもよかった。失点はGKのミス。我々の戦術は高いレベルにあって日本を押さえたが、結果には満足していない」と悔しそうに語った。

 第4戦はアウェイのカタール戦。10月17日、今度は相手の本拠地ドーハに乗り込む。ハッサン監督は「今回は日本のホームで我々は運が悪かったと思う。でも、ドーハでの試合で1−0で勝てばいい。いや、もっと得点できるかもしれない」と強気の姿勢。反町監督は「今日のカタールには本来のFWがいなかった。もっといい選手がいる。今度は時差対策を含めて、万全の準備をしたい」と慎重に話した。次の試合こそが真の意味で北京行きをかけた戦いとなりそうだ。

【日本代表出場選手】

GK
山本海人
DF
青山直晃
水本裕貴
内田篤人
伊野波雅彦
MF
本田拓也
梶山陽平
⇒青山敏弘(56分)
水野晃樹
⇒小林祐三(72分)
柏木陽介
家長昭博
FW
森島康仁
⇒李忠成(89分)