3回目を迎えた女子野球ワールドカップは29日、松山・坊っちゃんスタジアムで決勝戦が行われ、日本がカナダを11−3で破り、初めて世界の頂点に立った。日本は第1回(2004年)、第2回(2006年)大会とも、米国に次いで2位に終わっていた。
 24日にスタートした大会で、日本は1次予選初戦の韓国相手に11−0と大勝。2戦目のカナダにも12−2、3戦目の台湾には24−1と3試合連続のコールド勝ちを収め、圧倒的な強さをみせて、2次予選にコマを進めた。

 2次予選でも地元の声援を背に、代表選手たちは伸び伸びとしたプレーをみせる。初戦のオーストラリア戦では毎回得点をマークして、10−1と快勝。最大のライバルと目された米国戦でも、9−5と点の取り合いを制し、無敗で決勝進出を決めた。

 迎えた決勝、日本は2点を先行される苦しい展開だった。しかし、4回に4安打を集中させ、4点を奪って逆転に成功する。勢いに乗った日本は続く5回、相手投手陣の乱調につけこんで一挙7点。初の栄冠を引き寄せた。

 MVPには決勝と前日の米国戦でいずれも2番手としてマウンドにあがり、最後まで投げきった野口霞(神村学園高)が選ばれた。トップバッターを務めた原田のどか(岡山南)ら代表メンバー18人のうち5名を占めた高校生が世界一に大きく貢献した。今回の代表には茨城ゴールデンゴールズの片岡安祐美や、ご当地選手の大川由紀子(マドンナ松山)が選ばれ、西武、日本ハムで活躍した新谷博がコーチを務めていた。

 男子野球は先の北京五輪で星野ジャパンが4位とふがいない結果に終わった。それだけに、五輪のソフトボールに続く女子の世界一は価値あるものと言えそうだ。