ボストン・レッドソックスの松坂大輔は16日、敵地のタンパベイ・レイズ戦に先発し、5回3安打1失点。17勝目(2敗)をあげて、野茂英雄が3度記録した16勝を上回り、日本人メジャーリーガーで年間最多の勝ち星をマークした。レッドソックスは首位攻防第1Rを13−5で大勝し、ア・リーグ東地区首位のレイズにゲーム差なしと迫った。
 16勝目をあげてから2試合足踏みが続いた松坂だったが、この日は打線の援護に恵まれた。レッドソックスは初回にデービット・オルティスの3ランとマイク・ローウェルのソロで4点を先行。4回には1イニングで3本のホームランが飛び出して、早々と試合を決めた。

 松坂は3回、岩村明憲に外のボールをレフトスタンドに運ばれたものの、失った点はそのソロホームランによる1点のみ。5回で球数が100球を超えたため早めの交代となったが、勝利を確実にしての降板だった。岩村との日本人対決は第1打席がレフトフライ、第2打席がホームランで2打数1安打だった。

 今季の松坂は開幕から無傷の8連勝。5月には右肩の違和感で初の故障者リスト入りも経験したが、復帰後も順調に白星を積み重ねている。昨年は夏場以降、勝ち星が伸びず15勝12敗に終わった。しかし、今年は8月だけで5勝をあげ、負け数もトータルでわずかに2つ。安定した投球をみせる。
 2年連続地区優勝を目指すレッドソックスは今後も負けられない戦いが続く。残りの登板数を考えると日本人初の20勝は難しいが、チームの逆転Vには2年目右腕のさらなる白星が必要だ。