シアトル・マリナーズのイチローは18日、敵地で行われたカンザスシティ・ロイヤルズ戦で3本のヒットを放ち、メジャーリーグ移籍後、8年連続のシーズン200安打に到達した。8年連続の記録達成は1894年から1901年まで200安打以上を放ったウィリー・キラー以来2人目。04年には84年ぶりにシーズン最多安打を更新(262安打)したヒットメーカーが、今度は107年ぶりの金字塔を打ち立てた。
 数々の偉業を成し遂げてきた彼らしく、あっさりと数字を大台へ乗せた。ヒット数を197本として迎えたこの試合、イチローは定位置の「1番・ライト」で先発出場。3回の第2打席で一塁線を破る二塁打を放つと、第3打席では打ち上げた打球がサード後方にポトリと落ちる内野安打で王手をかける。

 そして迎えた8回、先頭打者として打席に入ったイチローはカウント0−1からの2球目にバットを合わせる。見逃せば外角のボールだったが、打球はショートの前へ。詰まった当たりが幸いし、ショートが送球した時には背番号51が1塁ベースを駆け抜けていた。イチローの持ち味である俊足を生かした内野安打が記念の一打となった。

 今季のイチローは前半戦、調子が上がらず苦労した。前半戦の打率3割4厘はメジャー8年目で最低。日米通算3000本安打の達成も後半戦に入った7月29日にずれ込み、一時は200安打のクリアが危ぶまれた。しかし、1つの山を乗り越えて以降、ペースを取り戻し、7月下旬から8月中旬まで17試合連続安打。8月10日と9月11日には1試合4安打の固め打ちも披露し、結果的に151試合目での200安打となった。次なる通過点はあと8本に迫ったメジャー1800本安打と、あと15本の日本人プロ野球安打記録(3085本)。残り試合は11で、いずれも現在のペースなら到達可能だ。
 
 年間200安打の達成回数でもイチローはピート・ローズの10度、タイ・カップの9度に続き、歴代3位に並んだ。メジャーリーグの歴史にその名を刻む34歳は、来年3月のWBCで日本代表のユニホームに袖を通すことが濃厚だ。来季はまず日本の連覇に貢献し、前人未到の9年連続200安打にチャレンジする1年となる。