19日、日本バスケットボールリーグ(JBL)は26日に開幕する2008−2009シーズンを前に会見を行なった。今季は日本人初のNBAプレーヤーとなった田臥勇太(リンク栃木ブレックス)が6季ぶりにリーグに参戦するなど、開幕前から例年以上に注目を浴びている。その田臥と同じ年齢である人気ナンバーワンの五十嵐圭(日立サンロッカーズ)、さらには外国人並みの身長と高い身体能力をもつ竹内公輔(アイシンシーホース)と譲次(日立)の兄弟対決など、話題には事欠かない。その中で、どのチームがチャンピオンの座に輝くのか――。全8チームのヘッドコーチ(HC)および代表選手が開幕に向けての意気込みを語った。
(写真:開幕まで1週間に迫ったJBL)
(写真:日本が誇るスーパースターはどんなプレーを見せてくれるのか!?)
「とにかく初戦を白星で飾れるようにチーム一丸となって頑張っていきたい」
 NBA復帰を目指し、JBLのコートに帰ってきた田臥は今季の意気込みを聞かれると、静かにそう答えた。まだチームに合流して約2週間と日は浅いが、仕上がりは順調のようだ。リーグ最年少ながらチーム一の得点源である川村卓也についても「うちにはいいシューターがいる。彼(川村)がどれだけ点数を取ってくれるかだと思う。彼は速いリズムからでも、リセットしてからでもいいシュートを打てる選手。自分はそこにパスをするだけだと思っている」と大きな期待を寄せていた。

 一方、川村も「実際は言ってること以上の速さでパスが来たりする。言葉で言わなくてもアイコンタクトですぐに理解してくれる。そういう人からパスを受けられるのだから、もっと自分も積極的にシュートを打って点数を取らなくてはいけないと思っている」と田臥に全幅の信頼を寄せている。
 リンク栃木はJBL1年目。ヘッドコーチもJBLでの采配は初めてとなる加藤三彦氏と初づくしのチームだが、話題だけでなく実力的にも計り知れない怖さがあり、今季の台風の目となりそうだ。

 今季は、オン・ザ・コート・ワンが採用され、コート上に立てる外国人選手は1チーム1人に制限されることとなった。日本人選手の出場機会が増えると同時に、日本人同士のマッチアップが多くなる。そのため、竹内兄弟のような外国人並みの高さを誇る日本人選手がいるチームにとっては、有利となることは間違いない。そのことについて2人は次のように語った。
(写真:2年目のシーズンを迎える竹内兄弟)

「昨季よりも外国人とのマッチアップが減ることは、それはそれで残念なこと。日本人選手とのマッチアップには絶対に負けないという気持ちでやりたい。むしろ、日本人選手に負けているようでは外国人選手には当然勝てないと思うので、日本人、外国人関係なく誰でもやっつけるという強い気持ちを持ってシーズンに臨みたい」(公輔)

「昨季はほぼ毎試合、外国人とマッチアップできたことで成長できたと思うので、その機会が減るのはとても残念。公輔が言ったように、日本人選手とのマッチアップなら自分にアドバンテージがあると思っているので、どの試合でも自分が中心となってやるという気持ちで戦っていきたい」(譲次)

「日本人には負けない」というプライドをはっきりと口にした竹内兄弟。これは無論、互いを意識しての発言に違いない。昨季以上にヒートアップしそうな2人のマッチアップがリーグを盛り上げそうだ。

 2008−2009シーズンの開幕まで1週間。来春、歓喜の雄たけびをあげるのはどのチームか。バスケットボールに全てをかけた男たちの熱い戦いがいよいよ始まる。