アメリカンリーグのリーグチャンピオンシップは17日、第5戦が行われ、1勝3敗と王手をかけられたボストン・レッドソックス(ワイルドカード)がタンパベイ・レイズ(東地区優勝)を8−7のサヨナラ勝ちで下し、2年連続のリーグ制覇へ望みをつないだ。7回表まで0−7の劣勢をはね返した。レッドソックス先発の松坂大輔は3本のホームランを浴び、5回途中5失点。2番手の岡島秀樹は2回無失点。レイズの岩村明憲は3打数1安打だった。
 チャンピオンシップの流れが一気に変わりそうな大逆転勝ちだった。残り3イニングで8点を取ってのサヨナラ勝ち。レッドソックスは前年も1勝3敗から巻き返してリーグ制覇を果たした。その再来を期待させる劇的勝利だった。

 もう後がないレッドソックスは初戦で好投した松坂大輔を先発に立て、必勝体制を敷いた。ところが背番号18は立ち上がりからピリッとしない。先頭の岩村明憲にライト前ヒットを許すと、続くB.J.アップトンはレフトのグリーンモンスターを越える特大の2ラン。わずか9球で2点を失った。

 さらに3回、カルロス・ペーニャにライトスタンドへ2ランを運ばれると、続く4番エバン・ロンゴリアにも被弾。相手の若き主砲に4戦連続となる1発を献上し、5点のビハインドを背負ってしまう。

 松坂は5回までマウンドに上がったものの、先頭の岩村に四球を与えて降板。4回3分の0を5安打5失点とスターターの責任を果たせなかった。レイズに主導権を握られる展開の中、窮地を救ったのは岡島だ。松坂が残したランナーを3塁まで進められたが、前の打席でホームランを打ったロンゴリアを三振に仕留め、追加点を許さない。続く6回も勢いのあるレイズ打線を三者凡退に封じ、チームの反撃を待った。

 7回に2点を失い、7点を追う形になったレッドソックスは7回、ココ・クリスプのタイムリーでようやく反撃を開始。なおも2死1、3塁と攻め、不振のデービッド・オルティスがライトへ3ランを叩き込む。

 続く8回にもJ.D.ドルーの2ランで1点差に詰め寄ったレッドソックスは、2死2塁からクリスプがファールで粘ってライト前へ執念のタイムリーを放つ。7−7。ついに試合は振り出しに戻った。

 こうなると勢いはレッドソックスへ。9回、内野安打と相手のミスで得点圏に走者を置くと、前打席で追撃の2ランを放ったドルーがライトの頭上を破る。2塁走者が喜びの生還を果たし、チャンピオンシップ敗退寸前の崖っぷちから1つ星を返した。第6戦はレイズの本拠地トロピカーナ・フィールドに場所を移し、19日に行われる。

 ドルー、サヨナラ打(レッドソックス2勝3敗、フェンウェイ・パーク)
タンパベイ・レイズ    7 = 203000200
ボストン・レッドソックス 8 = 000000431× 
勝利投手 マスターソン(1勝0敗)
敗戦投手 ハウエル(0勝1敗)
本塁打   (タ)アップトン3号2ラン、ペーニャ3号2ラン、ロンゴリア4号ソロ
       (ボ)オルティス1号3ラン、ドルー1号2ラン

【岩村成績】
 3打数1安打
第1打席 右前安打
第2打席 一ゴロ
第3打席 四球
第4打席 四球
第5打席 左飛