正式なチーム名は浦和レッドダイヤモンズ。“赤い悪魔”の異名をとる日本屈指のビッグクラブである。本拠地は埼玉県さいたま市(前浦和市)。スタジアムをチームカラーの赤で埋め尽くす熱烈なサポーターで知られている。今回、日本勢として初めてクラブW杯に挑む。
 1950年、中日本重工サッカー部として創部された。65年の第1回日本リーグに参加した三菱重工サッカー部が前身で、93年に開幕したJリーグに参戦。同リーグでは開幕から3年連続最下位に沈むなど、低迷の時期が続いた。99年にはJ2降格を味わった。

 ビッグクラブへの階段を上り始めたのは、01年にJ1に昇格してから。J屈指のサポーターによる入場料収入などもあり、チーム補強に成功。03年にナビスコカップ決勝で鹿島アントラーズを破って初タイトルを獲得すると、04年にセカンドステージ初優勝、05年に天皇杯初制覇、06年にはリーグ初優勝と天皇杯連覇を成し遂げた。

 チームの特長は、J1で3年連続最少失点を記録した鉄壁の守備。DF田中マルクス闘莉王、DF阿部勇樹、DF坪井慶介の日本代表3バックに加え、同じく代表MF鈴木啓太がゴールに鍵をかける。自慢の守備で相手の攻撃をはね返し、FWワシントン、FWポンテのブラジル人コンビを中心に手数をかけずに攻めるのがチームのスタイルだ。

 今季のAFCチャンピオンズリーグでは初出場ながら、大会初の無敗優勝を達成した。決勝トーナメントに入って全北現代、城南一和と韓国の強豪を連続で撃破。決勝では、堅守を誇るセパハン(イラン)から2試合で3ゴールを奪い、初優勝を果たした。今年から導入された開催国枠を使わずに、アジア王者としてクラブW杯に出場することには大きな意義がある。

 ただ、大会に向けて不安要素は多い。連覇がかかった今季のリーグ戦では何度も優勝に王手をかけながら、終盤に失速。勝てば優勝の最終節(12月1日)で最下位の横浜FCに敗れて、まさかのV逸となった。加えて、今季のJリーグ、ACLを通してMVP級の働きを見せていたMFポンテが同じ試合で右ヒザじん帯損傷の重傷を負い、大会に出場することができない。

 10日の初戦(準々決勝)ではセパハンと約1ヶ月ぶりに戦う。セパハンのコンディションはよく、厳しい戦いになることは間違いないだろう。初戦までに、いかにリーグV逸の精神的なショックから立ち直り、コンディションを取り戻すことができるか。“赤い悪魔”の躍進を日本中が期待している。

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