メジャーリーグのワールドシリーズは27日、第4戦が行われ、フィラデルフィア・フィリーズ(ナショナルリーグ)がタンパベイ・レイズ(アメリカンリーグ)を10−2の大差で下し、28年ぶりの世界一へあと1勝と迫った。レイズの岩村明憲は4打数0安打で3試合連続のノーヒット。守備でも2つのエラーを犯した。フィリーズの田口壮は4戦連続で出場機会を与えられなかった。
 フィリーズが得意の本塁打攻勢で圧倒し、連勝でシリーズ制覇に王手をかけた。

 深夜に及んだ第3戦を不運な形で落としたレイズ。この日も初回から流れが悪い。先発のアンディ・ソンナンスティンはいきなり先頭打者に2塁打を打たれ、1死1、3塁のピンチを迎える。続く4番ライアン・ハワードをピッチャーゴロに打ち取り、三塁走者を三本間で挟んだが、三塁でのタッチはセーフ。1死満塁と逆にピンチが広がってしまう。さらに次打者へ押し出しの四球を与えてしまい、フィリーズが難なく1点を先行した。

 さらに3回、先頭打者のセカンドゴロを岩村がエラー。これをきっかけに無死1、3塁の窮地に立たされる。ソンナンスティンはなんとか2死を奪ったが、7番フェリスにタイムリーを浴び、スコアは2−0となった。

 それでもレイズは4回、カール・クロフォードがライトスタンドへソロアーチを描き、1点を返す。ところが、岩村が反撃ムードに水を差してしまった。5回、フィリーズの先頭打者の打球をまたもやエラー。次打者の四球で1、2塁と走者がたまり、1死後、ハワードが放った飛球はレフトスタンドへ。レイズにとっては痛恨の3ランでフィリーズのリードは4点に広がった。

 レイズは直後にエリク・ヒンスキーのソロが飛び出すが、6回にはピッチャーのジョー・ブラントンにも被弾し、万事休す。7回には1死1、2塁とチャンスを築いたものの、岩村がレフトライナーに倒れて、ほぼ勝敗は決した。フィリーズは8回、ハワードのこの試合2本目となる2ランなどでダメを押し、得点を2ケタにのせて快勝した。

 フィリーズが地元で世界一を一気に決めるのか、それともレイズが踏みとどまってホームに戻れるのか。レイズが流れを変えるには、初戦の猛打賞以降、快音が聞かれない岩村の活躍が不可欠だろう。注目の第5戦は28日に行われる。

 主砲ハワード、2発5打点(フィリーズ3勝1敗、シチズンズバンク・パーク)
タンパベイ・レイズ         2 = 000110000
フィラデルフィア・フィリーズ 10 = 10131004×
勝利投手 ブラントン(1勝0敗)
敗戦投手 ソンナンスティン(0勝1敗)
本塁打   (レ)クロフォード2号ソロ、ヒンスキー1号ソロ
       (フ)ハワード2号3ラン、3号2ラン、ブラントン1号ソロ、ワース1号2ラン

【岩村成績】
 4打数0安打
第1打席 左飛
第2打席 遊ゴロ
第3打席 投ゴロ
第4打席 左直