メジャーリーグのワールドシリーズは30日、サスペンデッドゲームになっていた第5戦が6回裏から行われ、フィラデルフィア・フィリーズ(ナショナルリーグ)がタンパベイ・レイズ(アメリカンリーグ)を4−3で破り、対戦成績4勝1敗で1980年以来、2度目のシリーズ制覇を果たした。フィリーズの田口壮はシリーズを通じて出番がなかったが、カージナルス時代の06年に続き、自身2度目の世界一を経験。レイズの岩村明憲は7回に内野安打を放ち、中断前と合わせて4打数2安打の成績だった。
 試合再開が予定されていた29日も雨天順延。決着に3日もかかった第5戦は、フィリーズが連勝中の流れを切らさず、一気に頂点に立った。

 2−2の同点から再開したゲーム、まず先にリードを奪ったのはフィリーズだった。6回、1死3塁からジェーソン・ワースがセカンド岩村明憲の後方にポトリと落ちるラッキーなタイムリー。勝ち越しに成功する。

 ところが、レイズも直後の7回、ロッコ・バルデリがレフトスタンドへ同点ソロ。なおも2死2塁と攻め立て、打席には岩村が入る。フィリーズも左腕J.C.ロメロにスイッチし、勝負に出た。カウント1−0からの2球目を岩村が叩くと打球はセンターへ。逆転タイムリーかと思われた当たりだったが、セカンドが好捕。一気に本塁突入を狙った2塁走者はあえなく本塁でタッチアウトとなり、レイズは主導権を奪えない。

 こうなるとホームのフィリーズが優位に立つ。その裏、ペドロ・フェリスのタイムリーで1点を勝ち越し、最終回は守護神ブラッド・リッジがマウンドへ。レイズも得点圏へ同点のランナーを進めたものの、最後は代打のエリク・ヒンスキーが空振り三振に倒れてゲームセット。前年度地区最下位からの快進撃は、ついにストップした。

 シリーズのMVPは第1戦、第5戦に先発していずれも勝利に貢献した左腕のコール・ハメルズが獲得。ハメルズはリーグチャンピオンシップでも2勝をあげてMVPに輝いており、史上5人目の連続受賞となった。 

 フェリス、世界一決めるタイムリー(フィリーズ4勝1敗、シチズンズバンク・パーク)
タンパベイ・レイズ        3 = 000101100
フィラデルフィア・フィリーズ 4 = 20000110×
勝利投手 ロメロ(2勝0敗)
敗戦投手 ハウエル(0勝2敗)
セーブ   リッジ(2S)
本塁打   (レ)バルデリ1号ソロ 

【岩村成績】
 4打数2安打
第1打席 左飛
第2打席 中前安打
第3打席 見逃三振
※再開後
第4打席 二内野安打