ロサンゼルス・ドジャースからフリーエージェントになっていた斎藤隆がボストン・レッドソックス入りすることが決まった。米国のメディアによると、年俸は150万〜250万ドル(約1億3500万円〜2億2500万円)、出来高払いで最高700万ドル(約6億3000万円)となる内容で1年契約を結んだ。レッドソックスには松坂大輔、岡島秀樹の両投手が在籍し、今季からは社会人(新日本石油ENEOS)からメジャー契約を結んだ田澤純一が加わる。斎藤の加入でチームの日本人選手は4名となり、レッドソックスの一大勢力となる。
 斎藤は2006年、横浜を退団して、ドジャースに入団。当初はマイナー契約だったが、4月にメジャー昇格を勝ち取ると、シーズン途中からはクローザーに定着する。同年は6勝2敗24セーブ、防御率2.07、07年は2勝1敗39セーブ、防御率1.40。押しも押されぬドジャースの守護神となり、オールスターゲーム出場も果たした。

 昨季は右ひじの故障もあって戦線を離脱したものの、4勝4敗18セーブ、防御率2.49。クローザー候補として3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表候補にも選ばれている。だが、所属先だったドジャースとの契約交渉がまとまらず、今回の移籍が決定した。

 レッドソックスには絶対的な守護神で3年連続30セーブをあげているジョナサン・パペルボンがいる。そのため斎藤は岡島とともにセットアッパー役を務める予定だ。いずれにしても今シーズンは、松坂−岡島−斎藤、田澤−岡島−斎藤といった豪華日本人リレーが見られそうだ。

<川上、ブレーブス入り>

 中日からFA宣言してメジャーリーグ挑戦を表明していた川上憲伸がアトランタ・ブレーブスに入団することが決まった。現地時間10日、球団の公式サイトが伝えた。同じく巨人からメジャー行きを表明した上原浩治もボルティモア・オリオールズへの入団が合意に達しており、今オフの日本人の目玉選手の行き先がようやく決まったことになる。

 ブレーブスは1876年に創設されたメジャー屈指の伝統を持つ球団だ。91年から05年まで14季連続(94年はストライキでシーズン打ち切り)で地区制覇を果たすなど、ナショナル・リーグの強豪として君臨してきた。しかし、ここ3年はプレーオフ出場を逃し、下降線をたどっている。今オフは通算210勝右腕のジョン・スモルツがレッドソックスに移籍し、10年連続2ケタ勝利中のティム・ハドソンが手術で前半戦の復帰が絶望的。先発陣の補強が急務だった。ブレーブスは中日でエースとして112勝をあげた右腕をスターターとして高く評価。セントルイス・カージナルス、オリオールズとの争奪戦を制した。

 今オフは他に広島から高橋建、横浜から相川亮二がFAでメジャー移籍を表明しているものの、表立って獲得に乗り出している球団はいない。また埼玉西武の三井浩二がポスティングシステムを行使しての移籍を模索しているが、12月の時点では入札球団はゼロ。現在、2度目のポスティング申請を行っているが、日本人のメジャー挑戦は厳しい状況となっている。