北島康介、体操・内村に「技で魅せる選手になれ」 〜日本体育大学 北京オリンピック報告会〜
日本体育大学関係者で、北京五輪に出場した選手、役員、スタッフが一堂に介した「日本体育大学 2008 北京オリンピック報告会」が19日、都内ホテルで開催された。会場には北島康介(日本コカ・コーラ)や内村航平(体育学科2年)をはじめ、30人の選手・スタッフが出席し、支援への感謝の言葉を述べた。日体大は北京五輪に在学生、卒業生を合わせて26選手を送り込み、金メダル3、銀メダル3、銅メダル4のメダル獲得を含む、22人が入賞を果たした。
(写真:会見で後輩にエールを送った北島(右)と内村)
報告会は、落合卓四郎学長に続いて登壇した森喜朗元首相が、日体大関係者の活躍を称賛し、「日体大の応援団」を宣言するなど、終始和やかな雰囲気ですすんだ。さらに、森元首相は日本における「スポーツ庁」の設立の重要性を熱弁し、同庁誕生のために日体大にさらなる活躍を要請。日本体育協会会長らしくスポーツへの思いを熱く語る姿に会場からは大きな拍手が送られた。
会と平行して行われた個別会見で注目を集めたのは、競泳で2種目連覇の偉業を達成した北島と、体操個人総合、団体総合と銀メダルを2個獲得した内村の共演だった。お互いの印象を訊かれると、内村は、「2大会連続金メダル獲得というプレッシャーを自らかけて成し遂げるのがすごい。自分もそうなりたい」と尊敬の眼差しを向けた。一方の北島も、「強くなってくれると思う。コメントよりも競技の技で魅せる選手になってもらいたい」と期待を寄せた。
そして内村は、「今年1年は2、3年分の経験をした」と飛躍の年を振り返った。これまで日本体操界を支えてきた冨田洋之、鹿島丈博(ともにセントラルスポーツ)の引退に話が及ぶと、「2人が引退したからといって、(自分が引っ張るという)自覚はないが、次の世界選手権で代表に入った時にその自覚が出てくるかもしれない」とひょうひょうと語った。
レスリングに出場した4選手も揃って会見に応じた。銀メダルを獲得した松永共広(フリー55キロ級、綜合警備保障)、銅メダルの湯元健一(フリー60キロ級、日体大助手)は現役続行を、池松和彦(フリー66キロ級、K-POWER)、松本慎吾(グレコローマン84キロ級、一宮運輸)は現役引退をそれぞれ表明している。状況は違えど、五輪を終えた達成感からか4選手の表情は一様に明るかった。メダルを獲得した両者は、「最終目標であるロンドンでの金メダルに向かっていく」(湯元)、「今後もレスリングを楽しみたい。もっといい成績を残すことで大学に恩返しをしたい」(松永)と4年後のさらなる飛躍を誓った。そして、無念の初戦敗退に終わった松本も、「今は新しい道(指導者)に向かって勉強を始めている。これからも日体大に貢献したい」と発言。オリンピックのメダル獲得の夢を教え子に託す。同じく第一戦を退いた池松は「僕の青春は日体大のレスリングマットの上にあった。今後は地元の福岡を拠点にがんばっていきます」と晴れ晴れとした表情で胸を張った。
(写真:レスリングに出場した(左から)湯元、松永、池松、松本)
北京五輪で日本選手団が獲得した25個のうち、4割を占める10個のメダルを獲得した日体大勢。競技を続ける者、指導者に転身する者などそれぞれ状況は異なるが、いずれもその目は未来を見据えている。4年後のロンドンでも日体大旋風を巻き起こすためにも、この日姿を見せた20選手の経験は貴重な財産といえるだろう。
(写真:会見で後輩にエールを送った北島(右)と内村)
報告会は、落合卓四郎学長に続いて登壇した森喜朗元首相が、日体大関係者の活躍を称賛し、「日体大の応援団」を宣言するなど、終始和やかな雰囲気ですすんだ。さらに、森元首相は日本における「スポーツ庁」の設立の重要性を熱弁し、同庁誕生のために日体大にさらなる活躍を要請。日本体育協会会長らしくスポーツへの思いを熱く語る姿に会場からは大きな拍手が送られた。
会と平行して行われた個別会見で注目を集めたのは、競泳で2種目連覇の偉業を達成した北島と、体操個人総合、団体総合と銀メダルを2個獲得した内村の共演だった。お互いの印象を訊かれると、内村は、「2大会連続金メダル獲得というプレッシャーを自らかけて成し遂げるのがすごい。自分もそうなりたい」と尊敬の眼差しを向けた。一方の北島も、「強くなってくれると思う。コメントよりも競技の技で魅せる選手になってもらいたい」と期待を寄せた。
そして内村は、「今年1年は2、3年分の経験をした」と飛躍の年を振り返った。これまで日本体操界を支えてきた冨田洋之、鹿島丈博(ともにセントラルスポーツ)の引退に話が及ぶと、「2人が引退したからといって、(自分が引っ張るという)自覚はないが、次の世界選手権で代表に入った時にその自覚が出てくるかもしれない」とひょうひょうと語った。
レスリングに出場した4選手も揃って会見に応じた。銀メダルを獲得した松永共広(フリー55キロ級、綜合警備保障)、銅メダルの湯元健一(フリー60キロ級、日体大助手)は現役続行を、池松和彦(フリー66キロ級、K-POWER)、松本慎吾(グレコローマン84キロ級、一宮運輸)は現役引退をそれぞれ表明している。状況は違えど、五輪を終えた達成感からか4選手の表情は一様に明るかった。メダルを獲得した両者は、「最終目標であるロンドンでの金メダルに向かっていく」(湯元)、「今後もレスリングを楽しみたい。もっといい成績を残すことで大学に恩返しをしたい」(松永)と4年後のさらなる飛躍を誓った。そして、無念の初戦敗退に終わった松本も、「今は新しい道(指導者)に向かって勉強を始めている。これからも日体大に貢献したい」と発言。オリンピックのメダル獲得の夢を教え子に託す。同じく第一戦を退いた池松は「僕の青春は日体大のレスリングマットの上にあった。今後は地元の福岡を拠点にがんばっていきます」と晴れ晴れとした表情で胸を張った。
(写真:レスリングに出場した(左から)湯元、松永、池松、松本)
北京五輪で日本選手団が獲得した25個のうち、4割を占める10個のメダルを獲得した日体大勢。競技を続ける者、指導者に転身する者などそれぞれ状況は異なるが、いずれもその目は未来を見据えている。4年後のロンドンでも日体大旋風を巻き起こすためにも、この日姿を見せた20選手の経験は貴重な財産といえるだろう。