◇11月23日 レベルファイブスタジアム 13,267人
アビスパ福岡 2−2 愛媛FC【得点】
[福岡] 大久保(49分)、田中(52分)
[愛媛] 横山(24分)、田中(76分)
2トップの一角を占めていたFW内村圭宏、正GKの川北裕介を故障で欠く中、代役が穴を埋めた一戦だった。
まずはスタメンで大木勉と2トップを組んだ横山拓也。前半21分、細かいパス交換から、ミドルシュートを放つ。これは相手キーパーの正面を突いたものの、その3分後に再びチャンスがやってくる。24分、相手陣内で奪ったボールを大木が持ち込み、相手DFに囲まれながらもスルーパスを通す。
このボールに素早く反応したのが横山だった。相手DFと競り合いながら、前線で左足を合わせると、ボールはゴール左隅のネットを揺らした。横山にとっては5月25日の甲府戦以来となる半年ぶりの得点で、愛媛は1点を先行する。
そして直後に飛び出した相手の強烈なミドルシュートからゴールを守ったのは、GK多田大介。こちらは8月23日以来、約3カ月ぶりの出場ながら、積極的な飛び出しで、ピンチの芽を摘み取る。愛媛は、その後もテンポのよい攻撃をみせ、いい流れで試合を折り返した。
しかし、いいリズムをキープできないのが、今年の愛媛の苦しいところ。後半4分には、ファーサイドに入れたMF鈴木惇のクロスへの対応が遅れる。フリーにしてしまったFW大久保哲哉に頭で押し込まれ、ゲームはあっさりと振り出しに。さらにその3分後には、下がりきったDFラインをみたFW城後寿にミドルレンジからゴールを狙われてしまう。GK多田がなんとかはじくものの、ゴール前に詰めていたFW田中佑昌の下へボールが渡り、勝ち越し点が福岡に入った。
とはいえ、愛媛にもまだチャンスと時間は残っていた。後半10分に相手DFが2枚目の警告で退場になると、数的優位を生かして攻勢に転じる。後半20分には、相手のクリアボールを拾ったMF赤井秀一がミドルシュート。ゴール右を襲ったが、相手GKに横っ飛びで阻まれた。
23分には、赤井のスルーパスに右サイドからオーバーラップしてきたDF関根永悟が走りこむ。相手GKと1対1の場面だったが、シュートがうまく足にヒットしない。続く27分は、青野のロングフィードがゴール前に張っていたMF横谷繁に渡る。しかし、横谷がボールを預けたFW田中俊也は、シュートまで持ち込めず、愛媛にとってはもどかしい時間が続いた。
だが31分、MF江後賢一が中央突破で手薄な相手の守備陣を引き付けると、ゴール左に上がってきた田中へタイミングよくラストパスを供給。田中は落ち着いて、右足を振りぬき、相手GKの頭上を破る同点ゴールを生み出した。このところ、すっかり影が薄くなっていたエースストライカーの約2カ月半ぶりの得点。愛媛はようやく2−2のタイスコアに持ち込んだ。
その後も愛媛の時間帯が多い展開だったが、勝ち越し点は奪えず。勝ち点1ずつを分け合う形で試合を終えた。次節(30日)はホーム最終戦。初のJ1昇格に王手をかけたモンテディオ山形がやってくる。今季はサンフレッチェ広島にも昇格決定試合の花を持たされた。せめてもの意地を最後にみせたいところだ。
<両チームメンバー>
愛媛FCGK 21 多田大介
DF 13 関根永悟 → 5 星野真悟(89分)
3 金守智哉
28 高杉亮太
14 三上卓哉
MF 16 赤井秀一
27 青野大介
22 横谷繁
18 江後賢一
FW 20 大木勉 → 30 若林学(82分)
24 横山拓也 → 11 田中俊也(49分)
アビスパ福岡GK 22 吉田宗弘
DF 3 山形辰徳
27 丹羽大輝
13 柳楽智和
17 中島崇典
MF 18 鈴木惇 → 6 布部陽功(58分)
14 中村北斗
10 城後寿 → 8 タレイ(84分)
16 久永辰徳
FW 11 田中佑昌
19 大久保哲哉
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