11日、「クラブワールドカップ2008」が開幕戦を迎え、AFCチャンピオンズリーグ2008準優勝で開催国枠出場のアデレード(オーストラリア)が2−1でオセアニア代表のワイタケレ(ニュージーランド)を下して、決勝トーナメント1回戦を突破した。奇しくもオセアニア対決となった試合は前半34分にワイタケレが先制する。しかしその5分後にはアデレードが追いつき、後半37分に勝ち越し、そのまま逃げ切った。アデレードは14日に行われる準々決勝(豊田スタジアム)でアジア代表のガンバ大阪(日本)と戦う。

◇12月11日、国立
ワイタケレ 1−2 アデレード
【得点】
[ワ] ポール・シーマン(34分)
[ア] ダニエル・マレン(39分)、トラヴィス・ドッド(82分)
 立ち上がりからゲームを支配したのはアデレードだった。細かくパスを回しながら圧倒的にボールをキープしワイタケレゴールに迫った。前半だけでもシュートの数は10本、得点を挙げるのは時間の問題かと思われた。

 しかし、先制点を奪ったのは押されていたワイタケレだった。前半34分、右サイドからのフリーキックにMFポール・シーマンが飛び込みGKと競り合う。GKがキャッチできずこぼれたボールに再びシーマンが素早く反応し、シュートは無人のアデレードゴールに吸い込まれた。

 その5分後の39分、アデレードはすぐさま同点に追いつく。再三突破からチャンスを作っていた右サイドからのコーナーキック。ファーポストでボールに合わせたのは、完全にフリーになっていたDFダニエル・マレン。強烈なヘディングシュートでゴールをこじ開け、1−1の同点とした。前半はこのまま終了したが、ボール支配率は65%対35%。アデレードが完全に主導権を握った前半だった。

 後半になってもペースを握ったのはアデレード。右サイドからはキャプテンのMFトラヴィス・ドッドが、左サイドからはDFスコット・ジャミーソンが幾度もチャンスを作る。しかし、DFニール・エンブレンを中心とした必死の守りの前になかなか得点を奪えない。

 一方、ワイタケレは守備に大半の力を費やしたため攻撃はワントップ気味のロイ・クリシュナの突破力にかけるのみ。セットプレー以外では全く好機を作り出せなかった。

 アデレードがようやく勝ち越したのは後半37分だった。左サイドからのフリーキックに合わせたのは再三チャンスを作っていたドッドだ。長身選手が揃うアデレードにあって上背はそれほどないドッドだが、うまくDFをはずしゴール左隅にヘディングを流し込んだ。ようやく勝ち越したアデレードがこのまま逃げ切り、準々決勝進出を決めた。

 試合後、アデレードのアウレリオ・ヴィドマー監督は開口一番「難しい試合だった」と口にし、格下と目されていた相手に苦しめられたことを認めた。「ワイタケレは昨年に続いてのクラブW杯出場で、我々は初めてだった。クラブは大きな舞台を経験することで学んでいくもの。彼らのように私たちも学んでいかなければならない」とワイタケレの戦いぶりを称えた。

 準々決勝のガンバ戦については「前回の対戦は5−0で負けている。今日のゲームとは違い、全ての面でレベルを上げなくては勝てない。まずは先に点を奪うことが大切だ」と語り、キャプテンのドッドは「ガンバに勝つには相手にスペースを与えないこと。ACL決勝では素晴らしい試合をされてしまったが、我々には勝つ力があると思う」とコメントした。

 ACL決勝の再戦となる準々決勝は14日(日)、豊田スタジアムで行なわれる。


<今後のスケジュール>

【準々決勝】
◇12月13日(土)
・アフリカ代表アルアハリ(エジプト) × 北中米カリブ海代表パチューカ(メキシコ)

◇12月14日(日)
・アジア代表ガンバ大阪(日本) × 開催国枠アデレード(オーストラリア)