14日、「クラブワールドカップ2008」準々決勝が豊田スタジアムで行なわれ、アジア代表のガンバ大阪が開催国枠で出場のアデレード(オーストラリア)を1−0で下し、準決勝に進出した。前半23分にガンバが遠藤保仁のゴールで先制し、アデレードの反撃をしのぎそのまま逃げ切った。ガンバは18日に行われる準決勝(横浜国際競技場)で欧州代表のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)と戦う。

◇12月14日、豊田
アデレード 0−1 ガンバ大阪
【得点】
[ガ] 遠藤保仁(23分)
 準々決勝で試合のペースを握ったのはアデレードだった。ワイタケレ(ニュージーランド)との初戦を欠場していたMFジエゴを中心に、パスをしっかりと回し中盤を支配する。前線からプレッシャーをかけガンバに攻撃の形を作られない。前半13分にはMFトラヴィス・ドッドがDF2人にマークされながらも強烈なシュートを放つ。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝戦で完敗を喫した相手に対し積極的な試合運びをみせた。

 押され気味のガンバにアクシデントが起きたのは19分。右サイドMFの佐々木勇人がミドルシュートを放った際に、右足を痛め途中退場する。FW播戸竜二が投入され、フォーメーションを4−2−3−1から4−4−2へ。試合序盤から西野朗監督はゲームプランの変更を余儀なくされた。

 しかしここで投入された播戸がガンバに先制点をもたらす。前半23分、MF二川孝広の浮き球のパスをゴール前正面で長身DF2人と競り合いながらも、播戸がポストプレーでボールを落とす。そこへ走りこんだのはMF遠藤保仁だった。冷静に右足から放たれたシュートはGKの股下を抜け、アデレードゴールに吸い込まれた。序盤からなかなかペースを掴めなかったガンバがワンチャンスをものにし欲しかった1点目を奪った。

 その後は一進一退の攻防が続く。ガンバはアデレードに押されながらもキャプテン山口智を中心にシュートチャンスはなかなか与えない。前半のシュート数はガンバの7本に対し、アデレード3本。攻められながらも要所は押さえ、決定機を相手に与えなかった。前半はこのまま1−0で折り返した。

 後半に入っても積極的な戦いをみせたのはアデレードだった。中盤のガンバの横パスを狙い、両サイドバックが上がるチャンスを作らせない狙いが見えた。対するガンバは前半同様、中盤を支配されながらもシュートまでは相手に持ち込ませなかった。アデレードが後半1本目のシュートを放ったのは23分過ぎ、守備陣の頑張りが目立った。

 アデレードは後半25分過ぎから立て続けにFWの選手を3人投入し、一気にガンバゴールへ襲いかかった。ACL決勝から同じ相手に3連敗するわけにはいかないという気迫が伝わるような猛攻をみせた。ガンバは必死にも守りながらも、FWルーカスにボールを預けカウンターを狙い反撃を試みる。しかし、後半38分に二川が痛めていた右ひざを再び負傷し、途中交替してからは防戦一方になる。ロスタイム4分も含め、アデレードに攻められ続けたがあと一歩のところで踏ん張り1−0で試合終了。18日に行なわれる準決勝への切符を手に入れた。一方、敗れたアデレードは同日に行なわれる5位決定戦でアルアハリ(エジプト)と対戦する。

 辛くも逃げ切ったガンバだが、佐々木と二川の負傷は大きな痛手だ。ガンバの攻撃サッカーのカギを握る二人だけに準決勝のピッチに登場できるか気がかりなところ。4日後の対戦では世界屈指の強豪クラブにガンバの攻めの姿勢が通じるか注目したい。


<今後のスケジュール>

【準決勝】
◇12月17日(水)
・北中米カリブ海代表パチューカ(メキシコ) × 南米代表リガ・デ・キト(エクアドル)

【5位決定戦】
◇12月18日(木)
・アフリカ代表アルアハリ(エジプト) × 開催国枠アデレード(オーストラリア)

【準決勝】
◇12月18日(木)
・アジア代表ガンバ大阪(日本) × 欧州代表マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)