29日、天皇杯全日本サッカー選手権大会の準決勝2試合が行われ、柏レイソルがFC東京を、ガンバ大阪が横浜F・マリノスをそれぞれ下して決勝進出を果たした。両クラブとも前身クラブでの優勝経験はあるが、Jリーグが発足93年以降、天皇杯の優勝はない。クラブとしての初優勝を賭け、2009年元旦、国立競技場で頂上決戦を迎える。

FC東京 1−2 柏レイソル
【得点】
[F東京]鈴木達也(31分)
[柏]フランサ(68分)、李忠成(88分)

横浜F・マリノス 0−1 ガンバ大阪
【得点】
[G大阪]山崎雅人(延長26分)
 13時に静岡・エコパスタジアムで行われた柏とFC東京の一戦は、前半31分に鈴木達也がミドルシュートを叩き込み、FC東京が先制する。しかし柏も追い上げを見せ、後半から出場したFWフランサが23分に技ありのループシュートを決め同点に。さらに試合終了間際、FW李忠成とフランサが鮮やかなワンツーを決め、李が勝ち越し点を挙げた。柏が見事な逆転勝利で一枚目の国立への切符を手に入れた。

 15時開始のガンバ大阪と横浜F・マリノスの試合は、前半途中から横浜FMが試合の流れを掴み、ガンバゴールへ迫っていく。しかしシュートまでは至らずなかなか得点が入らない。一方のガンバも過密日程からか選手の動きは重く、こちらもチャンスをものにすることができない。結局両者ともに決め手を欠き、前後半90分では得点が動かず延長戦に入った。

 試合が大きく動いたのは延長前半12分。途中出場の横浜FW清水範久がこの日2枚目のイエローカードを受け退場となる。ここからガンバが一方的に攻める時間が続いた。

 そしてPK戦に入るかと思われた延長後半11分、縦パスに反応したFW山崎雅人がDFを振り切りシュート。これが決まりガンバが土壇場で勝ち越しに成功。残り時間、マリノスの必死の反撃を抑えこみ、ガンバ大阪が横浜F・マリノスを下し決勝進出を果たした。

 ガンバにとってアジアチャンピオンズリーグを連覇するためには天皇杯を優勝するほか手立てがない。試合後、西野朗監督は「天皇杯の先にあるものへの執念が感じられた。選手たちはよく戦ってくれた」と厳しいスケジュールの中、結果を残した選手たちの働きを労った。

 2008年の締めくくりとなるビッグタイトルを手にするのは果たしてどちらのクラブか。注目の決勝戦は、年明け元旦、国立競技場で14:00にキックオフされる。