男気あふれたその性格とガッツあふれたプレーでプロ野球ファンを魅了し続けた清原和博。昨年、惜しまれながらも現役生活に別れを告げた。だが、その魂を引き継ぎたいと“ポスト清原”に自ら志願した新人がいる。オリックス4巡目指名の高島毅選手(青山学院大学)だ。空手家の両親をもち、生まれながらにしてファイターの血が流れている高島選手。「何よりファンを大事にしたい」という彼は、プレーだけでなく、ファンサービスにも力を入れたいと意気込んでいる。
―― オリックス4巡目指名について。

高島: (指名される)自信はありましたが、なかなか名前を呼ばれなくて少し不安でした。名前が呼ばれた時はホッとしました。オリックスは昔から好きなチームでしたし、地元関西でプレーできるのはすごく嬉しいです。

―― 空手で世界3位の父親と世界王者の母親をもちながら、なぜ野球を選んだのか?

高島: オヤジは高校まで野球をやっていたんです。僕も最近知ったのですが、自分が志半ばで辞めてしまったので、僕には野球をやらせたかったようです。自分が成し遂げられなかったことを僕に託したようなところがあったみたいですね。だから、ものごころついたときからバットとグローブがあって、遊びといえばほとんど野球ばかりやっていました。小さい頃は、オヤジともよくキャッチボールをしましたよ。

―― 空手と野球との共通点は?

高島: 野球は団体競技ですが、打席に入ってしまえばピッチャーとの1対1の勝負になってくる。そこで自分がどれだけやれるかだと思うんです。要するに空手も野球も気持ちの持ち方が大事になってくる。相手への負けん気の強さとか、どんなピンチの場面でも気持ちを折らないとか……。そういう点で共通していると思いますね。

 トレードマークはスマイル

 大学、全日本ではキャプテンを務めた高島選手。「自分が調子の悪い時に、担当の医者に電話をしてくれたこともある。一見、適当な感じに見えるけど、実はみんなのことをちゃんと考えてくれている」と4年間、同じグラウンドで汗を流し、ともにプロへの道を切り拓いたエースの井上雄介投手(東北楽天4巡目)は言う。4年間で得たものとは。そして、どんな成長を遂げたのか。

―― キャプテンとしての苦労は?

高島: チームがなかなか勝てないときですね。監督からは常々「2部に落とすな」と言われていました。青学はもう20年以上も1部できているので、2部に降格させたキャプテンにだけはなるな、と。でも、勝てないときはどうしようもない。そういう時はお手上げです(笑)。正直、ほんまにどうしたらいいのかわからなくなったこともありますよ。口では「大丈夫やろ」なんて言ってても、結構、一人で悩んでたり……。でも、結局は時間が解決してくれる。ずっと低迷しているわけではなく、何かのきっかけさえあれば上がれる力はもっているチームですから。

―― 4年間で成長したと感じる点は?

高島: 1年間、チームのキャプテンとしてやってきたことは自分にとって非常に大きかったと思います。何があっても先頭に立ってやらなければいけないですし、勝たなければいけないという重圧ものしかかってくる。でも、いくら苦しくても逃げ出すわけにはいきません。そういう厳しい場所に身を置いたことで、人間的にも成長できたのではないかと感じています。昔に比べると随分、我慢強くなったと思いますね。

「最大の武器はがむしゃらさと笑顔」と言う高島選手。既にファンを意識した発言は現役プロ選手も顔負けだ。“ポスト清原”を狙うだけあって、「将来は2000本安打を打ちたい」と目標も大きい。

―― 理想のバッティングとは?

高島: 僕はそんなにガンガンホームランを打てるようなバッターではないので、とにかく広角に打って打率を残せるバッティングが持ち味。プロでもその部分を伸ばしていければと思っています。

―― 今後の課題は?

高島: どこがというより、全部が課題です。でも、まずは心の準備からですね。もしかしたら新人の中でも自分が一番下手かもしれないし、一番飛距離がないかもしれない。そういう最悪な状況を想定しています。そうじゃないと、いざそうだった時に、ポキンと折れてしまうと思うんです。でも、覚悟しておけば「こっから頑張ればいいや」と気持ちを切り替えられると思うんですよ。そういう気持ちの準備が一番大事になってくると思うので、そこはしっかりとやっていきたいです。

―― 憧れの選手は?

高島: 清原さんです! 高卒1年目からあれだけ活躍された方ですから。それに昨年の引退セレモニーを見ていても、ファンだけじゃなくて、野球界の人たちにもすごく慕われているのがわかりました。僕も男気があって、みんなに愛される選手になりたいです。それから金本知憲選手(阪神)からも学ぶことが多い。最近、『覚悟のすすめ』(角川書店)を読みました。金本選手も僕と同じドラフト4位で広島に入団して、プロのレベルに驚いたようです。もともとは継続とか苦手だったみたいで「オレはできない」とすぐに弱音を吐いていたようなんですけど、3年後にはレギュラーをつかむんだ、と決めた時から変わっていったんです。やっぱり何でも気持ちの持ちようだなと。そしてしっかりと目標設定をすることがいかに大事かということを再認識できました。

―― 座右の銘は?

高島: 「一意専心」です。意識と心を一つの目標に向かって突き進んでいくという意味で、北島康介選手が言っていた言葉なんです。ファンには笑顔をトレードマークにして、がむしゃらさをアピールしていきたいと思っています。

<高島毅(たかしま・つよし)プロフィール>
1986年5月29日、大阪府出身。大阪桐蔭高校では3年春に二塁手として甲子園に出場した。卒業後、青山学院大学に進学。3年秋にはベストナインを獲得。昨季は主将としてチームを牽引し、自らも最後のリーグ戦で首位打者、ベストナインに輝いた。全日本の主将にも抜擢され、世界大学野球選手権銀メダル獲得に大きく貢献した。176センチ、78キロ。右投右打。

(聞き手・斎藤寿子)

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