3月に開催されるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の運営委員会が現地時間29日、ニューヨークで開催され、投手の投球数制限が前回より5球緩和することが決定した。さらには昨年の北京五輪で採用された延長戦のタイブレーク方式の導入や、予告先発、ホームランのビデオ判定の採用も決まった。
 球数制限は3年前の第1回大会が第1ラウンド65球、第2ラウンド80球、準決勝と決勝が95球だった。今回はこれを5球ずつ緩和し、第1ラウンド70球、第2ラウンド85球、準決勝と決勝は100球と定められた。また今大会は準決勝が2日間にわたって実施され、初日に試合を行なったチームは決勝まで中1日の休養が入る。準決勝2日目を勝ち上がったチームは決勝が連戦で不利になるため、30球以上を投げたピッチャーは両チームとも登板が不可能となった。

 ビデオ判定はメジャーリーグでは昨年8月より導入された。ホームランの判定に限り、フェンスを越えたか否か、ポールを巻いたか否かなどを審判がビデオで確認する方式がとられている。今回はメジャーのルールにのっとって全ての会場でビデオ判定が行われる。日本のプロ野球では判定にビデオを導入したケースはなく、今度の東京ラウンドが国内初の試みとなる。

 投手の球数制限もある中、首脳陣が頭を悩ませそうなのが、延長戦のタイブレークだ。今回のWBCは第1ラウンド、第2ラウンドがダブル・エリミネーション方式と呼ばれる敗者復活戦を含んだトーナメント戦となり、決着をつけるための措置。北京五輪では延長11回以降、無死1、2塁からスタートし、任意の打順から攻撃を開始することができた。今大会は延長13回以降で、打順も直前のイニングから継続した形で攻撃を始める。

 日本は北京五輪の予選リーグでタイブレークの末、敗れた経験を持つ。犠打を見越して、不用意に投げた初球を狙われ、勝ち越し点を許した。守りはもちろん、いかに点を奪うかも含めて、対策を講じておく必要がありそうだ。