今年5月に行われる国際親善試合「キリンカップ2009」の大会概要が20日、発表された。日本代表は5月27日(水)に南米のチリ代表と大阪長居スタジアムで、31日(日)に欧州のベルギー代表と国立競技場で対戦する。
(写真:左から犬飼JFA会長、三宅キリンビール代表取締役社長、岡田日本代表監督)
 W杯アジア最終予選で2勝2分のA組2位につけている日本代表。キリンカップ2009は大詰めを向かえる6月の3連戦直前に組まれ、大事なテストマッチとなる。その初戦は岡田武史監督が熱望したというタフなチーム、チリとの対戦だ。

 チリ代表は現在、W杯南米予選で本戦出場圏内の4位につけており、10月に行われた試合ではホームで強豪国アルゼンチンを1−0で下し波に乗っている。監督は1998年から6年間に渡りアルゼンチン代表を率いたマルセロ・ビエルサ。FIFAランキング31位で、日本(37位)より上に位置している。昨年1月、第2次岡田ジャパン初戦でも対戦し、国内組を中心に戦い0−0で引き分けた。

 岡田監督はチリ戦について「オールコートでプレスをかけ、マンツーで戦うのがチリのスタイル。世界中のサッカーを観ているが、彼らより激しいプレッシャーをかけるチームはない。彼らと是非やりたいとお願いした。それが叶ったことは、我々がチャレンジしようとしているサッカーにとって非常にいいことだ」と、日本が成長するためには最適の試合であると述べた。

「これから上を目指すにあたって、勝っていくことも大事だが、強い相手を体感することも大事。(チリは)真正面からぶつからなければいけない相手だ」と戦いへかける思いも口にした。

 国立で対戦するベルギー代表はW杯欧州最終予選でグループ5に入り、2勝1敗1分でスペイン・トルコに次ぐ3位につけている。2位までの勝ち点差は1と、十分に本戦出場を狙える位置にいる。FIFAランキングは53位。08年北京五輪では準決勝でナイジェリアに敗れたもののベスト4に進出しており、近年、若手の台頭が著しい。

 岡田監督はベルギーについて「欧州のオーソドックスなチームで安定した力を持っている。この試合に続く(アジア)予選への最終チェックになる相手だ」と語った。

 アジア最終予選は3月のバーレーン戦(ホーム)を終えると、6月初旬から始まる3連戦まで約2カ月間のインターバルが入る。岡田ジャパンのコンセプトやチームのまとまりを取り戻すためにもキリンカップは大事な2試合になる。対戦する2チームは本大会のグループリーグで対戦した場合、決勝トーナメントに進むには必ず勝ち点3を取らなければいけない相手。先日の豪州戦では勝ちきれなかった日本が、世界を体感できる相手にどのような戦いをみせるか注目したい。


<キリンカップ2009>
◇5月27日(水)
日本代表 × チリ代表
長居スタジアム(大阪)

◇5月29日(金)
チリ代表 × ベルギー代表
フク電子アリーナ(千葉)

◇5月31日(日)
日本代表 × ベルギー代表
国立競技場(東京)


◇W杯アジア最終予選スケジュール

■第5戦(3月28日) バーレーン戦(埼玉)

■第6戦(6月6日) ウズベキスタン戦(アウェー)

■第7戦(6月10日) カタール戦(横浜)

■第8戦(6月17日) オーストラリア戦(アウェー)