3月7日(土)のJリーグ2009シーズン開幕を前にして27日、都内ホテルで「2009Jリーグキックオフカンファレンス」が行われ、全36クラブから監督と代表選手が集結した。開幕に先駆けて28日に実施される「富士ゼロックス・スーパーカップ」に出場する前年度リーグ覇者、鹿島アントラーズのオズワルド・オリヴェイラ監督は「技術、戦術、競争意識という面で、レベルの高い試合をお見せできるのでは」と好ゲームを約束した。試合は鹿島と天皇杯優勝のガンバ大阪の組み合わせで28日13時35分、東京・国立競技場でキックオフされる。
(写真:健闘を誓う鹿島・青木(左)とG大阪・遠藤)
 G大阪と鹿島は昨季のリーグ戦ではいずれもスコアレスドロー。「G大阪は素晴らしいチーム。日本で1番のレベルをもった手強い相手」と鹿島・オリヴェイラ監督が相手を評すれば、G大阪の西野朗監督も「鹿島という昨年のチャンピオンと試合ができて光栄」と持ち上げた。

 現状の仕上がり具合をみれば、鹿島のほうが順調だ。左ヒザ前十字靱帯を損傷してリハビリ中の小笠原満男もすでに紅白戦に復帰。さすがにスーパーカップでの出場は厳しいだろうが、ボランチには本山雅志が入り、穴は埋まった。高校サッカー選手権で1大会最多の10ゴールをあげたスーパールーキー、大迫勇也もベンチ入りが決まり、話題性も充分だ。

 一方のG大阪はレアンドロ、チョ・ジェジンのFW陣がケガで間に合わず、DF加地亮も紅白戦で太ももを負傷してベンチに入れない。「完成度はまだまだこれからの部分もある」と西野監督もチーム状態が万全でないことを認めている。「とにかく今のガンバをすべてゲームで出し切って、一丸となって戦いたい」。昨季同様、今季のG大阪も過密日程が待っている。本来の4バックから3バックにシステム変更して戦う初戦は、シーズンに向けた試金石となりそうだ。

 スーパーカップで鹿島は現在3連敗中。昨年は微妙な判定もあり、PK戦の末、サンフレッチェ広島に敗れた。勝てば10年ぶり4度目のカップ獲得となる。対するG大阪は過去の成績は1勝1敗。2年ぶり2度目の制覇を狙う。

 会ではスポットライトを浴びて、各クラブの監督と選手が次々とステージに登場。中でも目立っていたのは3年ぶりの日本復帰となるヴィッセル神戸・宮本恒靖(写真)だった。古巣のG大阪とのマッチアップに興味が集まるが、「ガンバは自分の中で特別な存在であり続けることは間違いないが、今は神戸の選手として勝つことを考えて頑張りたい」と勝負に徹する姿勢をみせた。

 17年目を迎えるJリーグは、あと643,524人で通算入場者数が1億人に到達する。挨拶に立ったJリーグの鬼武健二チェアマンは2010年までに年間総入場者数を1100万人にする「イレブンミリオンプロジェクト」を1年前倒して、今年中に達成することを目標に掲げた。「Jリーグの熱狂のスタジアムをつくりあげるのは選手たち。激しく一瞬たりとも休みのない試合をしなくてはいけない。美しい試合をお見せすることをお約束します」。チェアマンは高らかに2009シーズンのキックオフを宣言し、会を締めくくった。