WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)1次ラウンドは日本時間13日、全日程が終了し、B組の最終戦はキューバがメキシコを16−4の7回コールドで破り、1位通過を決めた。この結果、日本は2次ラウンドの初戦(16日)でキューバと対戦する。キューバは2−3で1点を追う4回、ユリエスキ・グリエルの2ランなどで5点を奪って逆転。7回にも6点をあげた後、フレデリク・セペダの3ランで10点差以上をつけ、コールド勝ちをおさめた。
◇B組
 キューバ打線、3戦11発!
メキシコ代表     4 = 0021100 
キューバ代表   16 = 1015009 (7回コールド)
(メ)オルテガ−●カンポス−ディアス−コルテス−レイエス−アヤラ
(キ)リセア−ロドリゲス−○Y.ゴンザレス−マヤ−ラエラ−Sウラシア
本塁打  (メ)サンドバール1号ソロ、ロブレス2号ソロ、K.ガルシア3号ソロ
       (キ)グリエル2号2ラン、ペスタノ1号3ラン、セペダ3号3ラン

【2次ラウンド日程】 米国・サンディエゴ ※日時は日本時間
ゲーム1 キューバ日本 16日(月) 5:00
ゲーム2 韓国メキシコ 16日(月)12:00
ゲーム3 ゲーム2敗者ゲーム1敗者 17日(火)12:00
ゲーム4 ゲーム2勝者ゲーム1勝者 18日(水)12:00
ゲーム5 ゲーム3勝者ゲーム4敗者 19日(木)12:00
ゲーム6 ゲーム4勝者ゲーム5勝者 20日(金)10:00

<日本、カブスとの接戦制す>

 WBC2次ラウンドの初戦を3日後に控えた日本代表は日本時間13日、米国アリゾナ州でシカゴ・カブスと強化試合を行った。日本は3回、川崎宗則のタイムリー3塁打などで2点を先制。6回にも1点を追加した。最終回にはカブスでメジャー復帰を目指す田口壮の2塁打で1点差に詰め寄られたものの、3−2で逃げ切った。

 福留、同僚相手にタイムリー
日本代表      3 = 002001000
シカゴ・カブス   2 = 000100001
(日)ダルビッシュ−小松−山口−杉内−馬原−藤川
(カ)ザンブラノ−グレッグ−パットン−グズマン−コッツ−ウェルズ

 連勝した日本だが、3日後の大事な初戦に向け、不安要素も出た一戦だった。

 まずは1次ラウンド、2番打者として申し分ない働きをみせていた中島裕之が風邪のため、試合を欠場した。15日のサンディエゴでの練習からは復帰予定だが、1次ラウンドで打率5割と好調だっただけに体調不良がチームに与える影響は小さくなさそうだ。

 攻撃陣ではイチローが3打数無安打と、まだまだ本調子に程遠く、1安打の9番・岩村明憲も状態は決して良くはない。原辰徳監督は「イチローはライト、GUNちゃん(岩村)がセカンド」で起用することを明言しているが、1次ラウンドでは下位から上位へ続く2人のメジャーリーガーのところで攻撃が寸断された面は否めない。今後の状況次第ではオーダーの変更も視野に入れなくてはいけなくなるだろう。

 投手陣で気になるのは抑え役の藤川球児だ。乾燥地帯でボールが手につかなかったこともあるだろうが、ストレートにシーズン中のような勢いが感じられなかった。立ち上がりから代打のフォックスに左中間を破られ、続く代打の田口壮には右中間にタイムリー2塁打を浴びた。すっぽ抜けるボールも目立ち、僅差の展開が予想される2次ラウンドに課題を残して突入することになった。

 また、登板間隔の規定により、前日のジャイアンツ戦での投球が許されなかった松坂大輔は実戦での調整ができないまま、2次ラウンド初戦のマウンドに上がる。当初は、このカブス戦に1イニング限定で登板する予定だったが、今度は所属球団のレッドソックスから許可が下りなかった。もともと投げるたびに調子をあげるタイプだけに、7日の韓国戦から1週間以上も間が空いた点がどう出るか心配だ。

 一方でスーパーサブ的存在の川崎宗則はこの日も先制の3塁打を放つなど、結果を残した。また3回の1死1、3塁の場面では片岡易之がスクイズを試みて、バッテリーミスを誘うなど、早い回から1点にこだわる野球も実践できた。投手陣では東京ラウンドで先発、リリーフと活躍したダルビッシュ有が2回2安打無失点。変化球のキレがよく、2回の2死満塁のピンチも連続三振で切り抜けた。

 日本は米国でのメジャーリーグ球団との強化試合に連勝。14日に2次ラウンドの舞台、サンディエゴに移動する。