WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)2次ラウンドがスタートした。1次ラウンドを勝ち抜いた8チームが2組に分かれ、ダブル・エリミネーション方式でそれぞれ準決勝に進む2カ国を決定する。日本は1組に入り、韓国、キューバ、メキシコとベスト4入りをかけて争う。2戦目以降でサムライジャパンと激突する可能性のあるメキシコの戦力を探ってみた。
(写真:3HRを放っている元オリックスのガルシア)
メキシコ 典型的な打高投低

 1次ラウンド突破の原動力となったのは攻撃陣。1次ラウンドであげた12本塁打、41得点はキューバを上回り、参加チームナンバーワンだった。一方で投手陣の防御率は10.74と2次ラウンド進出チームの中でワースト。37失点、52被安打もワーストの数字だ。典型的な打高投低のチームといえる。

 打者で目立つのは元オリックスのカリーム・ガルシア。日本では2戦連続で1試合3本塁打をマークしたこともある長打力は健在だ。12日のオーストラリア戦で1試合2ホーマーを放つなど、既に3本塁打を記録した。昨年は韓国プロ野球で打点王に輝いたように、アジアの野球は熟知している。初戦で対戦する韓国、そして日本にとって要警戒のバッターだ。また3番のエイドリアン・ゴンザレス、4番のホルヘ・カントゥも打率3割強と振れている。ガルシアがそうであるように彼らは直球にめっぽう強い。変化球をまじえて、うまくタイミングを外すことが大切だ。

 他方、投手陣は昨季ブレーブスで8勝をあげたホルヘ・カンピーロ、巨人に在籍経験のあるエルマー・デセンスといった先発陣はまずまずだ。クローザーにはメジャー通算125セーブのホアキン・ソリアーがいる。それだけに最後につなぐブルペン陣に信頼できる投手がいないのが痛い。1次ラウンドでも2試合コールド負けを喫したように、先発が早いイニングでマウンドを降りると総崩れしてしまう。

 投打のバランスがとれているキューバ、韓国、日本に比べると、準決勝進出には投手陣の踏ん張りが絶対条件だ。ひとつアドバンテージになりそうなのは開催地がサンディエゴであること。地理的に本国と近く、メキシコ系住民も多い。準ホームといえる場所で、声援を味方につける戦いができれば、対戦相手にとって厄介な存在となる。