WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)2次ラウンドは日本時間18日、2組の米国がプエルトリコを6−5の逆転サヨナラで下し、準決勝進出を決めた。米国は2点を追う9回、1死満塁のチャンスをつくり、押し出し四球で1点差と詰め寄った後、デイビッド・ライトが2点タイムリーを放ち、試合をひっくり返した。
(写真:殊勲打のライト)
 ライトの打球がライトライン際に弾んだ瞬間、野球大国の威信は首の皮1枚つながった。前回大会に続く2次ラウンド敗退のピンチ。最後はようやくチーム一丸となり、4強入りを果たした。

 苦しい戦いだった。2回、先発のテッド・リリーがアレックス・リオスに先制弾を許す。一時は逆転に成功したものの、4回、カルロス・デルガドに同点2ランを浴び、試合は振り出しに。6回には4番手のヒース・ベルが先頭打者への四球をきっかけに、リオスにタイムリーを打たれ、1点を勝ち越された。

 米国は7、8回と無死の走者を出しながら後続なく、無得点。9回には7番手のジョナサン・ブロクストンがまた先頭打者の四球から1点を失う。3−5。流れは完全にプエルトリコペースだった。

 しかし9回裏、シェーン・ビクトリーノがヒットで出塁し、前のオランダ戦から代表に合流したブライアン・ロバーツが続く。ロバーツはその後、1死1、3塁からセカンドへ単独スチール。きわどいタイミングながら2塁を奪い取り、一打同点のチャンスメイクを行う。

 なおもジミー・ロリンズがフルカウントからボールを見極め、満塁に。4番のケビン・ユーキリスも打ち気を抑えて、四球を選び、押し出し。土壇場でつなぐ意識を前面に押し出したことが、逆転劇につながった。

 米国代表は大会前から辞退者が続出し、本番に入ってもダスティン・ペドロイアやチッパー・ジョーンズが離脱。デイビー・ジョンソン監督も選手主体の起用をせざるを得ず、思うような戦いができていなかった。それでも生き残ったのは、底力がある証拠。依然として投手陣に不安は残るが、準決勝以降の対戦チームにとって、もっともイヤな国が勝ちあがったことは間違いない。

◇2組
 プエルトリコ、最終回に落とし穴
プエルトリコ代表  5 = 010201001
米国代表       6 = 021000003×
(プ)サンチェス−N.フィゲロア−J.ロペス−フェリシアーノ−S.リベラ−●ロメロ−F.カブレラ
(米)リリー−ハンラハン−ソーントン−ベル−シールズ−プッツ−○ブロクストン
本塁打  (プ)リオス1号ソロ、デルガド2号2ラン
       (米)ユーキリス3号ソロ

【今後の日程】 ※日時は日本時間
ゲーム6 ベネズエラ米国 19日(木) 8:00

(石田洋之)