「戦極 第七陣」が20日、代々木競技場第2体育館で行われ、フェザー級グランプリ開幕戦8試合を含む10試合が行われた。フェザー級GPでは日沖発(ALIVE)がクリス・マニュエル(アメリカ/アメリカン・トップチーム)に腕ひしぎ十字固めで一本勝ちをおさめた。そのほか、小見川道大(吉田道場)、金原正徳(パラエストラ八王子/チームZST)の日本人勢も初戦を突破した。またメインのライトヘビー級ワンマッチではキング・モー(米国/キングダム・オブ・メイヘム)が川村亮(パンクラスism)を3−0の判定で下した。
(写真:「相手はディフェンス力があって決めづらかった」と試合を振り返る日沖)
 日沖はアメリカン・トップチームの新鋭マニュエルを寄せ付けなかった。立ち上がりから前に出て相手を倒し、マウントポジションをとって動きを封じる。「自分の形になってよかった」。決めにいった腕十字は一度、外されたものの、再び馬乗りになって、主導権を渡さない。最後は三角絞めから、マニュエルの腕を奪って腕ひしぎ十字固めと流れるような攻撃で勝負を決めた。これまで無敗の米国人も「今まで戦ってきた中で一番強い」と脱帽の完勝だった。今大会は期待の新人・山田哲也(しんわトータルコンバット)が敗れるなど日本人の敗退が相次ぎ、「逆にヤル気になった」という。優勝候補にふさわしい4分12秒の戦いに「僕が65kg、日本人最後の砦になります」。最後は力強く宣言した。

 一方、メインを務めた川村は完敗だった。「打撃をしたかった」とスタンドでの戦いを挑もうとしたが、序盤からタックルで倒され、立ち上がっては倒される繰り返し。背中をとられ、コーナーに逃れるのが精一杯だった。3Rには頭から落とされ、試合終了後にはしばらく自力で立ち上がれないほどダメージを負った。「あそこまで、やられるのかという驚きがあった」。判定までもちこんだものの、1人のジャッジには6ポイントの大差をつけられた。

 しかもモーは試合後、1週間前のトレーニングで左ひざを痛めたことを明かした。「向こうがひざ十字を狙っていたら、どうなっていたかわからない」。安堵の表情で会見に現れた勝者は美女ダンサーのモー・ガールズの追加募集を告知するなど余裕しゃくしゃく。「僕が弱くて、相手が強かったということ。これから、どうするかが大事」。川村は前を向き、雪辱を誓っていた。
(写真:モー・ガールズに囲まれ、ご機嫌のモー)

 試合結果は以下の通り。

<第1試合> ※フェザー級GP1回戦
〇ニック・デニス(カナダ/ローニンMMA)
1R2分36秒 TKO(タオル投入)
×川原誠也(パンクラス P's LAB横浜)

<第2試合> ※フェザー級GP1回戦
〇ロニー・牛若(米国/チーム・トロージャン)
3R判定 3−0
×山田哲也(しんわトータルコンバット/チームZST)

<第3試合> ※フェザー級GP1回戦
〇ジャン・チャンソ(韓国/CMA KOREA)
1R4分29秒 一本(チョークスリーパー)
×石渡伸太郎(GUTSMAN修斗道場)

<第4試合> ※フェザー級GP1回戦
〇金原正徳(パラエストラ八王子/チームZST)
3R判定 3−0
×キム・ジョンマン(韓国/CMA KOREA)

<第5試合> ※フェザー級GP1回戦
〇マルロン・サンドロ(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
2R2分57秒 TKO(肩固め)
×マット・ジャガース(米国/チーム・ウルフパック)

<第6試合> ※フェザー級GP1回戦
〇小見川道大(吉田道場)
3R判定 3−0
×L.C.デイビス(米国/アメリカン柔術アカデミー)

<第7試合> ※ヘビー級ワンマッチ
〇BIG・ジム・ヨーク(ニュージーランド/SIAM GYM)
1R4分33秒 KO
×ジェームス・トンプソン(英国/London Shoot)
(写真:左ストレート一発でKOしたヨーク)

<第8試合> ※フェザー級GP1回戦
〇ナム・ファン(米国/Ma Du アカデミー)
1R3分9秒 TKO
×門脇英基(和術慧舟會東京本部)

<第9試合> ※フェザー級GP1回戦
〇日沖発(ALIVE)
1R4分12秒 一本(腕ひしぎ十字固め)
×クリス・マニュエル(アメリカン・トップチーム)

<第10試合> ※ライトヘビー級ワンマッチ
〇キング・モー(米国/キングダム・オブ・メイヘム)
3R判定 3−0
×川村亮(パンクラスism)