福岡ソフトバンクホークスは30日、今季、香川オリーブガイナーズから育成選手として入団した堂上隼人捕手を支配下登録すると発表した。アイランドリーグでは今季、4選手がNPBに育成入団したが、支配下選手となるのは堂上が初めて。背番号は126から42に変更される。また千葉ロッテマリーンズに昨季、高知ファイティングドッグスから入団した宮本裕司捕手も同日、支配下登録された。ロッテからは球団初の昇格選手となる。背番号は122から64に変わった。

(写真:キャンプ練習から素手で小飛球をキャッチするなどひたむきなプレーが光った堂上)
 新生ホークスの秘密兵器とも呼ばれる27歳のルーキーが、ついに支配下行きの切符をつかんだ。2月のキャンプではB組(2軍)スタートだったが、能力の高さをアピールして、途中からA組(1軍)の練習に合流。「ルーキーなのに自分のことより人のことをよく分析している。キャッチャーらしいキャッチャー」と秋山幸二監督からも評価を受けていた。

 オープン戦では1試合の出場にとどまり、1軍定着こそならなかったものの、27日に始まったウエスタンリーグでは、開幕3連戦すべてでマスクをかぶった。まだアイランドリーグでみせた強打こそ鳴りをひそめているが、キャッチング、リードの的確さは投手陣の評判もいい。現在、ソフトバンクでは3年目の高谷裕亮が正捕手争いで一歩リード。しかし、まだホームベースの守りは磐石とは言い難い状況だ。結果によっては、チャンスが巡ってくる確率は低くない。アイランドリーグ時代から「1軍クラス」と評されたナンバーワンキャッチャーが、1軍にお目見えする日もそう遠くなさそうだ。

○堂上、喜びの声
 やっとスタートラインに立てたという気持ちです。ここまで自分を支えてくれた全ての皆さんに感謝しています。そのご恩に報いるためにも、早くチームに貢献したいというその一心です。育成選手として過ごした数カ月の「1日も早くチームの本当の一員に」というガムシャラな気持ちを忘れず、1日1日を大切に、日々精進してまいります。

 昨年、NPBの門をくぐった宮本はルーキーイヤー、イースタンリーグで24試合に出場。「正直、もっと試合に出たかった」。機会を得るため、シーズン後半からはキャッチャーのみならず、ファーストや外野にも挑戦した。打席数は少ないが、打率は.313。得意の打撃面で手ごたえをつかんでの2年目だった。
(写真:「速球への対応が課題」と自主トレから打撃練習に取り組んでいた宮本)

 今季、ロッテは育成ドラフトでは8選手を獲得。後輩たちの加入は「先を越されたくない」と刺激になった。「まずはファームの開幕スタメン。そして(登録期限の)7月末までには支配下になりたい」。シーズン前の目標は、開幕スタメンこそ達成できなかったが、夏が来る前に背番号を2ケタにできた。昨季は高知でチームメイトだった角中勝也が1軍で初ホームランをマークしている。角中に続き、アイランドリーグの星として光を放てるか。「今年は自分のペースで楽しくやれている」。栄えあるリーグ初代MVPに輝いた実績を持つ26歳が新たなチャレンジをスタートする。

○宮本、喜びの声
 四国・九州アイランドリーグは僕の原点なので、こういう結果になって大変うれしいです。アイランドリーグ時代にお世話になった人たちに恩返しができたと思います。ただ、1軍に入った時が本当の恩返しだと思っているので、これからも一生懸命頑張ります。


次の100年へ。太陽石油から、SOLATOはじまります。[/color][/size]