プロボクシングのWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチが11日、大阪府立体育館で行われ、チャンピオンの名城信男(六島)が挑戦者で同級9位の冨山浩之介(ワタナベ)を8RTKOで下し、ベルトを守った。名城は昨年9月に河野公平(ワタナベ)を判定で破り、王座に返り咲いてから初防衛。通算では2度目の防衛となった。冨山は世界初挑戦での戴冠はならなかった。
 圧倒的有利がささやかれたチャンピオンだったが、危ない試合だった。初回、いきなりカウンターの左フックを浴びてダウン。ボクシング人生初めてリングに倒され、苦しい立ち上がりとなる。2R以降は右ストレート、左ジャブでペースを取り戻したものの、6Rにまたも落とし穴が待っていた。左フックを当てられ、2度目のダウン。判定に持ち込んで勝つのは難しい状況になった。

 となれば狙うは相手を倒すしかない。8回、ついに右のストレートでアゴをとらえる。相手の体勢がぐらついたところをロープに追い詰め、休まず連打で最初のダウンを奪った。これで形成は一気に逆転。なんとか立ち上がった冨山に対し、名城は猛然とラッシュを浴びせ、レフェリーが試合を止めた。善戦した冨山だったが、途中から大振りが目立ち、王者の逆襲を許した。