bjリーグは16、17日に有明コロシアムで「ファイナル4」が開催され、いよいよ今シーズンのチャンピオンが決定する。15日に行なわれた前日会見では、決戦を控えた4チームのヘッドコーチ(HC)がそれぞれ意気込みを語り、本番を直前にして互いに火花を散らした。

(写真:ファイナル4進出チームのHCらと河内コミッショナー<中央>)
 bjリーグがスタートして今シーズンで4年目を迎えた。過去3シーズンはいずれも大阪エヴェッサが栄冠を手にしている。今回、最大の注目は4連覇を目指す大阪を撃破するチームが出現するのか、という点だ。
「大阪を破ってチャンピオンになりたいと思っているチームが残った」という河内敏光コミッショナーの言葉通り、琉球ゴールデンキングス(沖縄)、浜松・東三河フェニックス、東京アパッチの指揮官には、いずれも大阪を意識する様子がうかがえた。

 なかでも明日のウエスタン・カンファレンス ファイナルで対戦する沖縄の桶谷大HCは、「自分たちはシーズン前から有明で大阪を倒すんだという執念をもって準備してきた。テーマは一つ。大阪に勝つこと」と述べ、隣席の大阪・天日謙作HCに対し、早くも闘志をむき出しにした。

 また、浜松の中村和雄HCは「大阪のリン・ワシントンはJBLの2部(新・日本リーグ)の時から対戦しているが、年々うまくなっている。今年は特にうまくなっている気がするし、なんといってもチームは3連覇しているわけで、正直、沖縄さんが(カンファレンス ファイナルで)破ってほしいと思っている(笑)」と語り、笑顔の中にも大阪への警戒心を募らせていた。

(写真:闘志を燃やし合う大阪・天日HC<左>と沖縄・桶谷HC)
 ディフェンディングチャンピオンとして3チームの挑戦状を受けるかたちとなった大阪だが、実はシーズン終盤に故障したレギュラーのF波多野和也とG仲村直人を欠き、今回のプレイオフでは非常に苦しい戦いを強いられている。ファイナル4でも波多野の欠場が決定しており、戦力ダウンは否めない。しかし、それでも3チームが大阪を意識するのは、天日HCの手腕によって発揮される短期決戦での強さを感じているからだろう。セミファイナルでも波多野、仲村を欠きながら高松ファイブアローズを下しており、今回もプレイオフでの強さは証明済みだ。故障者という痛手は負っているものの、やはり怖い存在であることは間違いない。

 大阪にまず最初に挑むことになる沖縄はレギュラーシーズンでは6勝2敗と大阪に大きく勝ち越し、見事カンファレンス首位通過を果たした。だが、「レギュラーシーズンの成績はプレイオフには関係ない。レギュラーシーズンとプレイオフでの大阪は違う。プレイオフに強い大阪を叩きたいと思って準備してきた」と桶谷HCに油断ははない。大阪が負け越した理由の一つにはチーム体制の整備の遅れもある。天日HCも「今のメンバーになってからは1勝1敗。(レギュラーシーズンの戦績が)ディスアドバンテージだとは思っていない」と強気のコメントをし、一歩も譲らない姿勢を見せた。早くも臨戦態勢に入ったかのように火花を散らす両指揮官の発言に会場は張り詰めた空気が漂う。

 その空気を一掃し、和やかな雰囲気に一変させたのが浜松の中村HCだ。昨シーズンのプレイオフを解説者として観戦した際、「この場に浜松の選手を立たせてあげたい」とコメントしていた中村HC。1年目ながら堂々の優勝宣言を行なうと、レギュラーシーズン1位通過でプレイオフ進出を果たした。報道陣の笑いを誘いながらも、ファイナル進出への意気込みを次のように述べた。
「『優勝するぞ』といってチームづくりを始めたが、1年経ったら忘れるだろうと思ったのに、みんな忘れてなかった(笑)。セミファイナルでは新ルールの恩恵に預かって1戦目を落としながら2戦目、最終戦と取って勝ち進むことができた。この流れをうまく使う手はないと思っている。東京はよくいえばアグレッシブで個性的。悪くいえば汚いバスケットをする(笑)。これに挑発されないようにしたい。東京も浜松もプロらしいチームだと思う。だからお客さんにバスケットの楽しさを味わってもらえればと思っている」
(写真:コメントにもエンターテインメント性あふれる浜松・中村HC<左>と東京・ブライアントHC)

 一方、東京のジョー・ブライアントHCは「浜松はGマイケル・ガーデナーとGFマーカス・モリソンといった2人のモンスターがどこからでもシュートを打ってくる。特にガーデナーを完璧に抑えることは難しいが、彼にはできるだけタフなシュートを打たせたい」と相手の高いオフェンス力に警戒心を強めた。それでも自信に満ち溢れた表情でチーム状態を次のように述べた。
「今はケガ人もおらず、チームコンディションはいい。昨シーズンとほぼ同じメンバーということもあり、“1年前の雪辱を果たすときがきた”ということはみんなわかっているし、我々はこの日のためにやってきた。ミーティングで私がスカウティングレポートを読んでる時でも選手の目は真剣そのもの。昨シーズンの経験がいかされ、選手全員が明日の試合に対してしっかりと集中できている証拠だ。我々にとっては最大のチャンスがきたと思っている」

 例年以上に力が拮抗した4チームが残ったといっても過言ではない「ファイナル4」では、レギュラーシーズン以上に熱い戦いが繰り広げられることだろう。また、今回はNBAダンサーズ「ウォーリアーガールズ」が来日し、4チームのチアリーダーズとともに会場を盛り上げる。本場米国にも負けないエンターテインメント性あふれる内容となっており、選手たちの激しいプレーとともに会場は一気にヒートアップしそうだ。


〜2008−2009シーズン ファイナル4(有明コロシアム)〜

16日(土)
<ウエスタン・カンファレンス ファイナル>
 琉球ゴールデンキングスvs.大阪エヴェッサ
<イースタン・カンファレンス ファイナル>
 浜松・東三河フェニックスvs.東京アパッチ

17日(日)
<ファイナル>
<3位決定戦>
(写真:4チームが目指すチャンピオントロフィー)


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