6日深夜に4大会連続のW杯出場を決めた日本代表が7日に帰国し、横浜市内のホテルで会見を行なった。会見には犬飼基昭JFA会長、岡田武史監督と選手25人が出席し、岡田監督は「ほっとしている。選手たちにはリラックスしてもらいたい」と選手を称えながらも、「新たなチャレンジが始まっている」と本大会までの1年間でチームをさらにステップアップしていくことを約束した。
(写真:リラックスした表情で会見に臨む中村俊輔)
 喜びの瞬間から間をおかずに帰国の途についた岡田JAPAN。10日に行われるアジア最終予選カタール戦へむけてコンディションを整えるため、強行日程で7日の昼過ぎに日本に降り立った。ほとんど睡眠をとっていないという選手たちは、厳しいアウェーでの疲れが抜けていない様子だった。

 会見の冒頭、犬飼会長が「みなさんの熱い応援のおかげで1つのステップをクリアできた。残り1年で満足のいく準備ができるようバックアップしていきたい」と挨拶。その後、岡田武史監督がW杯出場権を獲得したチームについて「(代表が)一つのチームになってきたと実感している。集まるのが楽しみなチームで、戦術やつながりをこえる、それ以上の何かがある」とチームが順調に理想の形に近づいていることを口にした。

 選手たちは疲れた表情を見せるものの、時より笑いも起きるなどリラックスムードだった。ウズベキスタン戦で体を張ったプレーで味方を鼓舞し続けたキャプテンの中澤佑二は「ほとんど全員寝ていないので長くは話しません」と前置きした上で、「昨日の勝利は昨日のものとして残り2戦に集中したい」と穏やかな表情で語った。

 会場が笑いに包まれたのは、日本を南アフリカへ導く決勝点を挙げた岡崎慎司の言葉。「自身のゴールでW杯を決めた感想を」という問いに岡崎が「ゴールを決めたのは嬉しい。いいパスを押し込むだけでよかった。勝ててよかった……、そんな感じです」と結んだところで、選手一同から笑いが起きた。それは、岡田監督が口にした「それ以上の何か」を目の当たりにできた場面だった。

 代表を牽引し、出場権獲得に大きく貢献した中村俊輔は「世界で相対的にみて日本が強くなっているかは、今はわからない。今の代表には修正することがまだあるし、修正することのできる選手が揃っている。修正をしつくしたところにベスト4がある」と、本大会までの期間の過ごし方が重要であることを強調した。

 岡田JAPANにとってW杯出場権獲得はあくまで通過点だ。今後、岡田JAPANは強豪国とのテストマッチを予定している。そこで岡田監督の唱えてきたコンセプトを具現化するサッカーを披露し、サッカー大国と肩を並べることができるか。その答えは来年6月、南アフリカで明らかになる。