15日、日本サッカー協会(JFA)は7月1日からカナダで行われる「U-20ワールドカップ2007」に臨むU-20日本代表メンバー21人を発表した。A代表経験のあるMF梅崎(大分)、柏木(広島)らが順当にメンバー入り。海外でプレーするFW森本(カターニャ)、伊藤(グルノーブル)は選ばれなかった。
(写真:記者の質問に答える吉田監督)
 「これまで2年半の間、チームをつくってきた。その中で、現時点で一番力のある選手を選んだ」
 吉田靖監督は会見の冒頭ではっきりと言い切った。フランスのグルノーブルで修行を積み、大分に復帰した梅崎。A代表候補合宿に参加した経験を持つ柏木、DF内田。昨年の「アジアユース選手権2006」優勝の原動力となり、その頃からさらに成長した選手が名を連ねた。

 一方でMF山本(清水)、DF堤(浦和)といったアジアユース選手権の優勝メンバーで外れた選手もいる。「もちろん、アジアユース選手権の時に選ばれて今回は選ばれなかった選手の実力が劣っているわけではない。ただ、アジアユースと同じようにやっていたら世界では勝てない。メンバーを少しでも変えて、競争を少しでも激しくしてチームのレベルをアップさせたいと思った」(吉田監督)。アジアユース選手権からの約半年、新たにガンバ大阪の新進気鋭の左サイドバックDF安田ら旬な選手を取り入れて、チーム力強化を図ってきた。

 海外でプレーする森本、伊藤はコンディション面がネックとなり、呼ばれなかった。森本は3月初旬、練習中に左ヒザ前十字じん帯を断裂し、現在もリハビリの日々。伊藤も、今月9日に右ふとももを負傷し、コンディションは万全ではない。トゥーロン国際でFW森島(C大阪)が2ゴール、ハーフナー(横浜)が1ゴールするなど既存のFW陣が結果を残している点も理由の一つと言えそうだ。

 7大会連続8度目の出場の日本は、1次リーグで7月1日(日本時間2日未明)にスコットランド、4日(同5日午前)にコスタリカ、7日(同8日午前)にナイジェリアと対戦する。当面の目標は3大会連続の決勝トーナメント進出。

「1次リーグ突破は非常に難しいハードルだと考えています。選手には、グループリーグを突破しようとしかまだ言っていない。というのも、僕自身、この大会は4回目だし、各大陸の予選のビデオはチェックした。そして、日本の今現在の実力はよくわかっている。1次リーグはそう簡単には突破できないでしょう。厳しい3試合になると思う。粘って何とか勝ち抜きたい」(吉田監督)

 日本の過去の最高成績は、FW高原(フランクフルト)ら“黄金世代”が99年大会で残した準優勝。しかし、以後は思ったような成績を残せていない。01年大会は1次リーグで敗退。03年、05年大会と2大会連続で決勝トーナメントに進んでいるものの、05年大会はベスト16で敗退を余儀なくされた。悪い流れを払拭するような大暴れを吉田ジャパンには期待したい。

<U-20日本代表メンバー 21人>

GK
林彰洋(流通経済大学)
武田洋平(清水エスパルス)
権田修一(FC東京)

DF
福元洋平(大分トリニータ)
柳川雅樹(ヴィッセル神戸)
槙野智章(サンフレッチェ広島)
安田理大(ガンバ大阪)
内田篤人(鹿島アントラーズ)
香川真司(セレッソ大阪)

MF
梅崎司(大分トリニータ)
森重真人(大分トリニータ)
藤田征也(コンサドーレ札幌)
太田宏介(横浜FC)
田中亜土夢(アルビレックス新潟)
柏木陽介(サンフレッチェ広島)
青山隼(名古屋グランパス)
平繁龍一(サンフレッチェ広島)

FW
河原和寿(アルビレックス新潟)
青木孝太(ジェフ千葉)
ハーフナー・マイク(横浜F・マリノス)
森島康仁(セレッソ大阪)