今年10月に行われる国際親善試合「キリンチャレンジカップ2009」の大会概要が8日、発表された。日本代表は10月10日(土)に欧州の古豪スコットランド代表と日産スタジアムで、14日(水)にアフリカのトーゴ代表と大分・九州石油ドームで対戦する。また9月にはオランダ遠征を行い、5日(土)にオランダ代表と9日(水)にはガーナ代表との国際親善試合が予定されている。
(写真:左から犬飼JFA会長、前田キリンビール執行役員、岡田日本代表監督)
 W杯アジア最終予選A組を2位で通過し、南アフリカ行きを決めた日本代表。本大会までの短い期間でいかにチームを強化できるか。そのためには世界の強豪とのマッチメイクが重要だった。W杯出場決定直後には「協会を上げて全面的にバックアップをする」と約束した犬飼基昭日本サッカー協会会長。その言葉通り9月5日に世界ランク3位のオランダ代表とのマッチメイクが実現した。

 また、10月に行なわれるキリンチャレンジカップでは世界ランク24位のスコットランドと71位のトーゴとの試合が行なわれる。両国ともに南アフリカW杯に向け、最終予選でグループ2位につけている。南アフリカの舞台で戦う可能性もある中位国だけに、日本代表の仕上がり具合がわかる試合となる。

 会見の席で岡田武史監督は「10月はちょうど試合が空いてしまう時期でもあり、そこで2試合を組んでもらえたことはありがたい。スコットランドとトーゴという相手は望んていた相手。予選に近いメンバーで来てくれるということなので、いい強化試合にしたい」と国内での2試合について、意気込みを語った。

 また9月のオランダ遠征について「現時点でW杯のベスト4に入れる相手と戦って、チームの力がどれほどなのか、選手に肌で感じてもらいたい」と強国相手の対戦について述べた。

 09年後半のスケジュールがほとんど決定している日本代表だが、11月14日(土)の国際Aマッチデーに行なわれる試合について、今のところ未定だ。この日は本来、アジアカップ2011香港戦(ホーム)が行なわれる予定だったが、岡田監督の要望で開催日を変更し、アウェーで強豪国との試合を調整している。W杯本番まで残り時間が少ない中、アジア地域での試合に時間を割くよりも、欧州などへの遠征を優先した形だ。アジアカップ予選は11月18日(水)の香港戦(アウェー)よりも前に行なわなければならず、現在日程を調整している。

 ただ、関係者によると11月14日は欧州予選のプレーオフが行なわれる予定で、マッチメイクには時間がかかるとのこと。現在行なわれている欧州予選では、1位となれば本大会出場が確定するが、2位となった場合にはプレーオフに回る。ドイツ、フランスと言ったW杯優勝経験国もプレーオフに可能性がある。「うちは早く決めたからいいけど、相手のことを考えるとね……」と前出の関係者の言葉だ。

「実際、日本はある欧州の代表との試合の約束を取り付けていたが、その国がプレーオフに回る可能性を考慮しキャンセルになった」と会見で口にした岡田監督。各国協会との調整もギリギリまで時間を要するだろう。

 南アフリカでの本大会まで1年を切っている。岡田ジャパンにとって、世界との距離を測るためにも年内の6試合は重要な試合になる。初顔合わせとなるオランダとのアウェー戦も組まれ、自らの立ち位置を確認するには絶好の機会だ。南アフリカで成果を上げるために、年内の強化試合で様々な試みが行なわれることを期待したい。

<国際親善試合>
◇9月5日(土)
オランダ代表 × 日本代表
FCトゥヴェンテスタディオン(オランダ・エンスヘーデ)

◇9月9日(水)
日本代表 × ガーナ代表
ハルヘンバールトスタディオン(オランダ・ユトレヒト)

<キリンチャレンジカップ2009>
◇10月10日(土)
日本代表 × スコットランド代表
日産スタジアム(横浜)

◇10月14日(水)
日本代表 × トーゴ代表
九州石油ドーム(大分)

<アジアカップ2011予選>
◇未定
日本代表 × 香港代表

◇11月18日(水)
香港代表 × 日本代表
香港スタジアム