『マツダオールスターゲーム2009』第1戦が24日、札幌ドームで行なわれた。両者あわせて31安打という打撃戦となったこの試合、青木宣親(東京ヤクルト)が土壇場9回で逆転2ランを放ち、試合を決めた。

 両者あわせて31安打(札幌ドーム)
全セ   10 = 000111043
全パ    8 = 101001500
勝利投手 三浦(横浜)
敗戦投手 武田久(日本ハム)
本塁打  (セ)ラミレス(巨人)ソロ、青木(ヤクルト)2ラン
 ダルビッシュ有(北海道日本ハム)、中島裕之(埼玉西武)、青木宣親(東京ヤクルト)、内川聖一(横浜)……今春、V2を達成したWBCメンバーが見られることもあって、第1戦の会場となった札幌ドームはびっしりと埋め尽くされ、観客は夢の競演を楽しんだ。

 途中まで一進一退の攻防が続いた第1戦、それまでの緊迫した試合が嘘のように終盤、激しい打撃戦が待っていた。
 先制したのは全パ。1回裏、先頭の糸井嘉男(同)を二塁に置いての場面。5年ぶりに日本のプロ野球に復帰した井口資仁(千葉ロッテ)が全セの先発、ゴンザレス(巨人)のストレートを思いっきり叩くと、打球は高く弾みながらセカンドへ。これを荒木雅博(中日)が慌てたのか、一塁へ悪送球し、この間に糸井が先制のホームを踏んだ。さらに井口は3回裏、1死三塁から全セの2番手・館山昌平(東京ヤクルト)からタイムリーを放ち、2点目を挙げた。

 一方、全パの先発、ダルビッシュが初回に打球を右肩に当てるアクシデントが起こった。2回を予定していたが、1回限りで降板。急遽、2回表から田中将大(東北楽天)がマウンドに上がった。その田中に一発を見舞ったのが全セの4番に入ったラミレス(巨人)。3回表、田中の初球、高めに浮いたスライダーを見逃すことなく仕留め、ライトスタンドへ。これで1点差と迫った全セは5回表、初回の汚名返上とばかりに荒木が犠牲フライを放ち、同点とした。6回は両者が1点ずつを加えて3−3とし、試合は終盤へ。ここから打撃戦が幕を開けた。

 7回裏、全パは全セの4人目、川井雄太(中日)から4連打を含む5安打を放ち、一挙5点のリードを奪った。すると8回表には、今度は全セの打線が爆発。全パの5人目、有銘兼久(楽天)から4点を奪い、1点差に迫った。そして9回表には青木宣親(東京ヤクルト)が逆転2ラン。さらにブランコ(中日)のタイムリーで1点を加え、全セが2点をリードした。

 その裏、逆転を信じて8回から登板していた三浦大輔(横浜)がそのままマウンドへ。気合いが入りすぎたのか、先頭の長谷川勇也(ソフトバンク)に死球を当てるが、そこから本領を発揮。まずは、目下リーグ本塁打王の中村剛也(西武)を空振り三振に。そして、地元ファンで沸いた高橋信二(日本ハム)、金子誠(同)を内野フライ、空振り三振に打ち取った。

 MVPには土壇場で逆転ホームランを放った青木。通算対戦成績は全セ69勝74敗8分となった。