タンパベイ・レイズの岩村明憲内野手が30日、約3カ月ぶりにメジャーリーグ復帰を果たした。早速、敵地でのデトロイト・タイガース戦に「9番・2塁」で先発出場した岩村は、3回、復帰初打席でライト前ヒットを放つ。その後も2つの四球を選ぶなど、4打席中3打席で出塁。うち2度はホームまで生還してチームの勝利に貢献した。試合は3−1でレイズが勝利した。
 当初は今季絶望と言われた大ケガから97日、岩村が何苦楚魂で蘇った。アクシデントが起きたのは5月25日のマーリンズ戦。2塁での守備で走者の激しいスライディングを受け、負傷交代した。診断結果は左ひざ前十字靱帯断裂で全治8カ月だった。しかし、1カ月後に行われた手術の段階で部分断裂であることが判明し、早期復帰が可能になった。

 リハビリを経て、8月中旬からは3Aでの調整をスタート。3Aでプレーしている井川慶から2安打を放つなど、順調な回復ぶりをみせていた。レイズは現在ア・リーグ東地区の3位。首位ニューヨーク・ヤンキースに10.5差をつけられ、ワイルドカードでのプレーオフ進出を目指している。昨季リーグ優勝に貢献したトップバッターの復帰は、チームにとって大きなプラスだ。

 岩村個人としても今季はレイズとの契約最終年で、来季以降の交渉をよりよい条件で進める上でも早期復帰は大きい。ヒザとともに負傷した足首には痛み止めの注射を打つなど、まだケガは完全回復とは言えないようだが、残り1カ月、驚異的な復活を遂げた背番号1がチームに奇跡を起こす。

 またボストン・レッドソックスの田澤純一投手は同日、マイナーリーグ降格が発表された。8日にメジャーデビューを果たした田澤は4度先発するなど、ここまでの成績は5試合で2勝3敗、防御率6.65。ただ、28日のシカゴ・ホワイトソックス戦は4回9失点でKOされていた。今回の降格にはリリーフ陣の頭数を増やしたいチーム事情も反映されており、ロースター枠が拡大する9月以降は再昇格の可能性もある。