今季、富山サンダーバーズから育成選手として阪神に入団した野原祐也が9日、1軍に昇格した。BCリーグ出身者としては内村賢介(石川ミリオンスターズ−東北楽天)に続いて2人目。初日のこの日は、打席には立つことはなかったが、4点リードで迎えた最終回にはライトの守備につき、早速満員の甲子園でデビューを果たした。
 昨秋のドラフト会議、育成枠で阪神に指名された野原は、ファームでの好成績を買われ、7月27日に支配下登録された。背番号は123から94となった。8月には打率3割4分1厘、1本塁打の活躍でウエスタンリーグにおいての月間MVPに輝いた。そして、ついに念願の1軍登録。阪神ではバルディリスに続いて2人目、日本人としては初めてだ。

 2007年、BCリーグの富山サンダーバーズに入団した野原は2年間、主砲として活躍。1年目には首位打者、本塁打王の2冠に輝いた。2年目の昨季はリーグ全体のレベルが上がったこともあり、成績こそ1年目を下回った。しかし、リーグ4位タイの12盗塁を決めるなど、走力があることも証明。無冠ながら全部門でベスト10入りを果たし、NPBへの道を開いた。

 1月の新人合同自主トレーニングでは尊敬する金本知憲や藤川球児との初対面を果たし、スター選手のオーラを肌で感じた野原。これからはチームメイトの一員として彼らと同じフィールドで戦う。

 チームはクライマックス・シリーズ出場をかけての正念場を迎えている。大事な時期での1軍登録は、野原に対する期待の大きさがうかがえる。ぜひ、思い切りのいいバッティングで、全国に “富山のおかわりくん”の名をとどろかせてほしいところだ。

 開幕前から高い評価を得ていた野原は、育成選手の中でもひと際目立っていた。だが、本人に浮かれた様子は全くなかった。
「プレーを評価されているわけではない。早く野球で目立てるようになりたい」
 今、ようやくその願いが叶った。結果が全てのプロの世界。甲子園での活躍が待ち遠しい。

>>入団前のインタビュー「“富山のおかわりくん”NPB参上!」はこちら(2008年1月更新)