右肩の不調で戦列を離れていたボストンレッドソックスの松坂大輔が16日、約3カ月ぶりにメジャーリーグのマウンドに復帰した。本拠地フェンウェイ・パークのロサンゼルス・エンゼルス戦で先発した松坂は7回途中まで3安打無失点の好投。試合はレッドソックスが4−1で勝利し、松坂は6月3日以来の2勝目(5敗)を収めた。
 88日ぶりの登板で「復活」という答えを出した。今季の松坂はかつてない不調に悩まされていた。3月のWBCで3勝0敗と日本の連覇に貢献し、MVPに輝くスタートながら、レギュラーシーズンに入ると昨季18勝をあげたピッチングが影をひそめる。4月15日のアスレチックス戦では1回5失点KO。翌日より右肩の張りで故障者リスト入りし、約1カ月間、戦線離脱を経験した。

 復帰後は6月3日に5回1失点で今季初勝利を挙げたものの、調子はなかなか上向かない。結局、8試合に先発して1勝5敗、防御率8.23で、6月中旬を境に再び故障者リストに入っていた。それから3か月、松坂はマイナーリーグの施設で再調整を行い、体重を絞って下半身を強化。8月下旬からマイナーで4試合の実戦を積み、満を持しての先発マウンドだった。

 この日は初回、先頭打者を四球で歩かせたものの、後続を3人で片づける危なげない立ち上がり。これでペースをつかみ、ア・リーグ西地区首位を走るエンゼルス相手に4回までノーヒットピッチングを続けた。5回には初安打を許して1死2、3塁とピンチを迎えたが、続く2人の打者から連続三振。直球の威力が戻ったことで本来の姿が復活した。

 最終的には今季最長の6回3分の0を87球で投げ、今季初の無失点ピッチング。7回途中でマウンドを降りる際には、ホームの観客から拍手をもらった。レッドソックスはこれで6連勝。ワイルドカード争いで2位に5.5差をつけ、プレーオフ進出に大きく前進した。ポストシーズンを勝ち抜く上で、柱となるスターターは必要不可欠。ア・リーグ東地区ではニューヨーク・ヤンキースの後塵を拝しているレッドソックスだが、10月の最終決戦へ頼もしい右腕が戻ってきた。