メジャーリーグの2009シーズンが5日、終了した。最後まで優勝の決まらなかったア・リーグ中地区は最終戦を前にして同率首位だったミネソタ・ツインズとデトロイト・タイガースがそろって勝ち、86勝76敗で並び、7日のワンゲーム・プレーオフで雌雄を決することになった。
 その他の地区の優勝はアメリカンリーグが東地区ニューヨーク・ヤンキース(3年ぶり16回目)、西地区ロサンゼルス・エンゼルス(3年連続8回目)、ナショナルリーグが東地区フィラデルフィア・フィリーズ(3年連続9回目)、中地区セントルイス・カージナルス(3年ぶり11回目)、西地区ロサンゼルス・ドジャース(2年連続12回目)。
 ア・リーグでは、やはりニューヨーク・ヤンキースの復権が目を引く。5年ぶりにシーズン100勝をあげ、一昨年のワールドチャンピオン、ボストン・レッドソックスや、昨年のリーグ覇者タンパベイ・レイズがひしめく激戦区を制した。強さの原動力はなんといっても強力打線。244本塁打はメジャーリーグ1位、チーム打率.283も両リーグ2位を誇る。20本塁打80打点以上が7人もそろい、対戦する投手は息つく暇もない。昨オフに左ひざの手術を受けた松井秀喜も打率.274、28本塁打、90打点とまずまずの成績を残し、地区Vに貢献した。

 ヤンキースにとって、大切なのはここからだ。プレーオフ出場を逃した昨年を除き、2000年代は8度ポストシーズンにコマを進めながらワールドシリーズを制した01年が最後。このところはディビジョンシリーズで3年連続敗退中だ。ツインズ−タイガースの勝者と当たるディビジョンシリーズは、今年も大きな関門となる。

 ナ・リーグではカージナルスが投打の主軸の活躍により、地区チャンピオンの座を奪還した。打の主役はアルバート・プホルス。47本塁打でのタイトル獲得に加え、打率(.327)、打点(135)でもトップ3に入る活躍をみせた。一方、投の主役は19勝をあげたアダム・ウェインライトと防御率2.24のクリス・カーペンター。いずれも最多勝、最優秀防御率のタイトルに輝いており、プレーオフでも2人がシーズン同様の働きをみせれば、短期決戦は優位に戦える。また38セーブの守護神ライアン・フランクリンがいるのも心強い。

 またプレーオフ進出の最後の座となるワイルドカード(最高勝利2位球団)はア・リーグがボストン・レッドソックス(東地区)に決定。ナ・リーグはコロラド・ロッキーズ(西地区)が入った。レッドソックスは松坂大輔が肩の不調から復帰後、4試合で3勝をマーク。プレーオフでは先発4番手以降に回ったが、球威が戻った右腕はポストシーズンの切り札と言えそうだ。5月の時点では地区最下位に沈んでいたロッキーズは、監督交代やシーズン中の補強策が功を奏し、一気に逆襲。地区優勝したドジャースに、残り2試合で1ゲーム差まで肉薄した。

 今年のプレーオフはヤンキースの松井、レッドソックスの松坂をはじめ、岡島秀樹、斎藤隆(以上レッドソックス)、黒田博樹(ドジャース)と3球団5選手が出場資格を持つ(レッドソックスの田澤純一は故障者リスト入りのため、出場不可)。8日から順次、ディビジョンシリーズが開幕し、ア・リーグがヤンキース−ツインズとタイガースの勝者、エンゼルス−レッドソックスの組み合わせ。ナ・リーグではフィリーズ−ロッキーズ、ドジャース−カージナルスのカードが組まれている。このディビジョンシリーズは3戦先勝制で、勝ち抜いたチームがリーグチャンピオンシップ(4戦先勝制)に臨む。